昼とは違う雰囲気の学校を見渡しながら
ワクワクしている。
昼とは違う静かな夜の学校。街灯の光が
ぼんやりと校庭を照らしている。
遠くで犬の遠吠えが聞こえる。
そのとき、校庭の端で何かが動く。
近づいてみると、それは二宮金次郎像だっだ。
碧が二宮金次郎像を観察していると、
突然像が動き出す。
動き出した二宮金次郎に驚いて
後ずさりする。
動き出した二宮金次郎はゆっくりと
碧に近づいてくる。
碧は驚いて後ずさりしようとするが、
足がもつれて転んでしまう。
足をもつれさせて転んだ碧を見下ろしながら
話す二宮金次郎を、見上げる。
サインをしてほしいという碧のお願いを
聞いて、二宮金次郎は懐からサイン用紙と
ペンを取り出してサインをしてくれる。
サインを書いてくれた二宮金次郎を見て
目を輝かせる。
そして二宮金次郎はまた歩き出し、
校庭の隅へ消えていく。
碧は二宮金次郎が消えるのを見届けてから、
学校の中に入っていく。
そのとき、前の曲がり角から誰かが歩いてくる。
人体模型は踵を返して去っていく。
学校内部を探検する碧。
音楽室、美術室、理科室などを順番に見て回る。
どこもかしこも静かで人がいる気配はない。
そのとき、後ろから誰かがついてくるような
足音が聞こえてくる。
ついてくる足音に気づき後ろを振り返って
声をかける。
振り返ると、自分の制服と同じ制服を
着ている女子生徒がいた。
碧が逃げようと背を向けた瞬間、女子生徒が
素早く碧の肩を掴む。
そして碧を自分の影の中に引きずり込む。
肩を掴まれて影の中に引きずり込まれる
感覚に恐怖する。
抵抗するも力が強く振り払えない。
彼女の声が響き渡ると同時に、影から伸びた
黒い手が碧の足首を掴む。
足首を掴まれて完全に影の中に
引きずり込まれてしまう。
影の中は完全な暗闇だった。
一瞬の静寂の後、碧の目の前にぼんやりと
光る二つの点が現れる。
それは女子生徒の目だった。
恐怖で動けずに後ずさりする。
しかしいつの間にか影に囲まれており、
前には女子生徒が立っている。
女子生徒は碧に向かって一歩ずつ
近づいてくる。
彼女の顔には笑みが浮かんでおり、
目は三日月のように細長く曲がっている。
彼女は手を上げて碧の顔を撫でる。
顔を撫でられて悲鳴を上げる。
そして気を失った。
気を失った碧を女子生徒はしばらくの間
見つめている。
そして碧の魂を抜き取ろうとするかのように
手を碧の胸に当てる。
すると二宮金次郎像が現れ、女子生徒を
殴り飛ばす。
彼女は逃げ出す。
女子生徒が去っていくと二宮金次郎像は
碧を揺さぶって起こす。
碧は二宮金次郎像の助けを借りて
なんとか立ち上がる。
二宮金次郎像は安堵のため息をつく。
そのとき、遠くから足音が聞こえてくる。
二宮金次郎像は素早く碧を自分の後ろに隠す。
足音の主は、包丁を持った生徒だった。
生徒は錯乱した状態で叫びながら
包丁を振り回している。
二宮金次郎像は碧をさらに強く抱きしめながら
戦闘態勢を取る。
包丁を振り回す生徒を前に、二宮金次郎像は
立ち向かう。
二宮金次郎像は生徒の包丁を持つ手を掴む。
二宮金次郎像の握力に生徒は包丁を落とす。
二宮金次郎像はすかさず生徒の腹部に
強烈な蹴りを入れる。
生徒は吹き飛んで床に倒れる。
暫くして、正気に戻る。
二宮金次郎像は碧に視線を向けながら言う。
二宮金次郎像に深く頭を下げて挨拶をして
学校を出る。
家に着いてベッドに横たわり、今日
あったことを思い返す。
二宮金次郎像の言葉が蘇る。
"人間を守るのが俺の仕事だ。"
*その言葉を思い出し、改めて二宮金次郎像に
感謝する。
その直後、大切なことを思い出す。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。