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第152話

第13章 第10話 [ 冷たい風が頬を撫でて ]
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2026/02/10 09:05 更新
- 翌日 -
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
どっちがいいかなあ……
安くて可愛いアクセサリーが売られているお店で、優は2つのイヤリングを手に取り真剣な顔をして見比べていた。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
どんだけ悩むんだお前
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
雫の好みはどっちなのかなって考えると中々決められないの!!
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
どっちも買えば良くね?
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
そんなにお金ないから困ってんの
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
なら俺がひとつ出すけど
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
紘太は紘太で雫にピアス買うんじゃないの!?
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
買う。んでついでにそっちも買う
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
流石に悪いよ……
優はそこまでお金を持ってきていない。お土産代や東京へ戻るためのお金もあるため、かなりカツカツな状態だ。
一方、紘太はあまりお土産を買わない。買うにしても寮のメンバーくらいだ。だから優と違ってそこまでお金に困っていない。
だから素直な優しさから、優が悩んでいるアクセサリーのひとつを買おうか提案した。しかし優は少し申し訳なさそうな表情になってしまう。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
…………じゃあ立て替えてもらおうかな
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
来月返すよ
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
しかしここで断るのも紘太に申し訳ないと感じてしまった優は、立替という提案をした。その提案を、彼は素直に受け入れる。
優が左耳につけているイヤリングと紘太がつけているピアスはどちらも雫から貰ったものだった。
そしてそのふたつのアクセサリーは、このお店で取り扱われている。
だからふたりはここで雫の墓参りに置くアクセサリーを選びに来ていたのだ。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
車に戻るぞ
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
母さんを待たせてるし
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
そうだね
ふたりは店を出て、駐車場へと向かって歩いていく。
冷たい風が頬を撫で、自分達より先に向かっていく。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……もう1月かぁ
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
早いもんだよなぁ
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
もうすぐ、私達も2年生になるんだね
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……そうだな
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
どんな一年になるのかなぁ
今日は大晦日。新しい1年へ移ろぐ前の日である。
街も賑わっており、改めて今年の終わりを感じさせる。
そんな中、話題に出た進級の話。
ふたりはもうすぐ中学2年生になる。しかし雫は、小学6年生のまま変わることは無い。
ふたりもそれに気が付いた。だから、ふたりの空気には沈黙が流れてしまう。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……どんな一年になるからわかんねぇけどさ
数秒経った後、紘太はその場に立ち止まって優の方を振り返る。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
どんな時も、あいつの分まで楽しめばいい気はするよな
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……!!
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
そうだね、紘太
紘太の言葉に、優は一瞬だけ目を見開いた。
そしてその後、1呼吸置いて優しく微笑む。
ふたりが雫にやれること。それは空の上にいる雫に、今の人生を楽しんでいるふたりの姿を見せることだけなのだ。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……お待たせ母さん
紘太の母親
大丈夫よ。ほら、優ちゃんも早く乗っちゃって
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
ありがとうございます!
そのままふたりは紘太の母が運転する車に乗り、雫の墓が置かれている場所へと向かう。
- 墓地 -
数十分後。
車から降りたふたりは花や先程買ったアクセサリーを持って、雫の墓の前にしゃがんでいた。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
はい雫。この間のイヤリングのお返し、ここに置いとくね
アクセサリーの箱を墓の前に置き、優しく笑いながら墓を撫でた。
その間に紘太は花を添える。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……こんなもんか?
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
そんな感じでいいんじゃない?
花を添えたことない紘太は、簡単なことのはずなのに思った以上に苦戦してしまっていた。その様子が面白かったのか、優はくすくすと笑う。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
紘太ってホント不器用だよねーー
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
そんなこと……
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
否定しないんだ……
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
否定したかったんだけどな……
紘太は優の言う通り、かなり不器用だ。それは本人も自覚している。
一方、優はそこまで不器用という訳では無い。楽器も演奏出来るし絵もうまい。苦手なことは計画を立てることくらいだ。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……ま、そこがあんたのいいところでもあるんじゃない?
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
バカにしてんのか?
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
うん
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
頷くな
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
雫もそう思うよね〜?
返答が帰ってこないなんてことはわかってる。でも、つい癖で誰にもいないところに向かってそう質問をしてしまった。
冷たい風がもう一度頬を撫でる。辺りは一瞬で静寂に包まれた。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……帰るか
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
そうだね
ふたりが立ち上がり、雫の墓に背を向けて歩き出した時。





『 優ちゃんの言う通り、そこがこうくんのいいところだって私も思うなー!! 』





_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……!!
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
!!
確かに、そんな声がどこからか聞こえてきた。
その声に反応したふたりは、思わず振り返ってしまう。
でもそこには誰もいない。ただ添えた花がゆらゆらと揺れているだけだった。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
今の……
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……やっぱ紘太は不器用なところを持ち合わせてるのも含めて紘太なんだよね
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
どういう意味だそれ!!
ふたりは顔を見合せたあと、もう一度同じ話題で会話を始めた。
先程よりも更に優しく、楽しそうな笑顔で。

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