車に乗って左馬刻の家に帰る
車には眼鏡に七三の男がいた
車が駐車場からでる
家に帰って出てきたのはトカゲだった、タランチュラらしきものもある
うげ
ゲテモノ料理とは…
味はいけるらしいからな
意を決する
トカゲを食べてみる
タランチュラは気が引けたが一応完食した
かなり刺激が強かった…
料理1回は誰かに作ってみたかった
料理はビーフシチュー
ずっと大切な人の前で作っていた料理だ
大好きだった頃の兄
近所のお兄ちゃん
懐かしい感じがする
この温かい感じ
憧れだった
ひとつやって欲しいことがあった
左馬刻…優しいな
嬉しい
こんなに人から愛してもらう事などあまり無かった
私は泣いているらしい
3人が心配そうな顔や怪訝そうな顔でこっちを見ている
泣くのはダサくて嫌いだが
勝手に舞い上がって気持ちが溢れてしまった
こいつらはおかしい
出会ったばかりのやつに力を貸すなんて
裏があるに決まってるけど
その優しさが今は純粋に嬉しかった
左馬刻が私の横に座って私を抱きしめた
トランプでババ抜き ポーカー バカラなどをして一晩中遊んでいた
楽しくて仕方なかった
気がついたら寝てしまっていたらしい
確か左馬刻の家だ
全然記憶が無い
慌てて3人を起こさないようにそっと家を出た
電車に乗ったけれど渋谷で降りる気は起きなくて
新宿まで来てしまった
何故か分からないけれど新宿で降りることにした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!