そのまま家に帰って、
お兄ちゃんと話した。
前よりも、何故か気持ちは落ち着いている。
先輩たちが助けてくれたからかな。
あの時は、助けが来なかったから。
途中で止める人も、
誰かが来ることも、なかった。
ほんとに、危なかった。
みんなにお礼しないとな
心配してるなら、帰ってきてくれてもいいのに…
海外で活躍してるのは良いけど
放任主義すぎるんだよ…
よく分からない…
あんまり食べる気にはならない…。
どこをどう見たら変なんだ?
確かに、お腹すいてないって言ったし
テンションも低い気がするけど……
そんなに普段と変わらなくない?
体調が悪いわけでもないしなぁ
あ、でも少し気持ち悪い気が……
いやでも、気持ち悪いのはあんなことがあったから?
男のアレを見せつけられて
気持ち悪くならない人いないでしょ……?
自分で気づいてないんだから、
きっとお兄ちゃんの気のせいだろう。
今日はすごく早い気がするけど
もう寝ようかな……
朝。
めっちゃ遅刻しそうな時間に起きた。
いつもお兄ちゃん起こしてくれるのに…
まだ寝てるのかな?
起こさないと……
少し支度をしながらお兄ちゃんの部屋に行く。
ガチャッ……
夏で少し蒸し暑くなった部屋で
布団を頭まで被って少し汗をかいているお兄ちゃん。
何か変ということは口に出さなくとも一目瞭然だ。
熱の含んだ肌。
少し涙目で、顔色が悪い。
どこからか貰ってきたのか?
ファンたちに囲まれたりしてたからかな…
夏風邪かぁ……
確かに僕のやつ話さないとかもしれないけど、
結構熱高そうだし、無理でしょ流石に
ゆっくり起き上がって、支度をし始めるお兄ちゃん。
おぼつかない足取りで、フラフラしてる。
……僕には休んでいいって言うのに。
自分の心配しないのは、そっちじゃないか。
ほんとに、お願いだから休んでよ。
いつか死んじゃうよ。
対して何も入っていないカバンを
怠そうに持ち上げ、フラフラしながらドアへ向かっていく。
こうなったお兄ちゃんは止められない。
仕方ない、今日は僕がずっと近くにいよう。
大丈夫、すぐに助けられるようにするから
マスクを付けた顔色の悪いお兄ちゃん。
誰もが見ても風邪を引いてると分かる。
それに相反して、周りの歓声は止まらない。
結構頭に響いてるみたいだ。
昨日の変って言ってたのは、自分だったじゃん。
不破先輩遅刻多いからこの時間に来てるのか……
お兄ちゃんの顔がどんどん険しくなってる……
いや、大丈夫じゃないでしょ……
こんなにバレバレすぎる嘘初めて見た。
キーンコーンカーンコーンⅹ2
あ、チャイムなった。
まぁ、少し遅れても別にいいか。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。