耳郎side
試験開始のブザーが鳴ったと同時に、ウチと上鳴は
演習場に足を踏み入れた。
一回目の試験で耳を怪我してしまったから、100%の力は出せない。
どうやってあなたと闘っていったら良いかな…。
上鳴 「なぁ耳郎………、」
策を考えていると、上鳴が声をかけてきた。
上鳴を見ると、青ざめた顔をしてウチを見ていた。
上鳴 「…この勝負、終わったくね…???」
耳郎 「何言ってんの?そんな弱音吐かないでよ。」
あなたが強いのは分かってる。
USJ事件の時からずっと思ってた。
だとしても、わざわざ試験中に言わなくても…。
試験前、力強く勝ち宣言していた上鳴は一体どこへ?
上鳴 「だってさ…俺の"個性"って体から電気放出するじゃん?」
耳郎 「当たり前じゃん………あ、、」
上鳴の言いたいことが分かった。
そうだ、忘れていた。
上鳴の個性は『 帯電 』。
上鳴の体から放電される。
ということは上鳴自身が水などで濡れてしまったら、個性発動した場合自分まで感電してしまうことになる。
そんな事を考えているうちに、雨が降ってきてしまった。
周りを見渡すと降っているのは、ウチらがいる演習場の上のみ。
ああ、これは _____________
上鳴 「水に濡れたら感電するだろ!?俺の個性、あなたちゃんと相性最悪じゃん!!!俺もう何も出来ねぇじゃん!!!!」
あなたの個性だ。
耳郎 「そんな事言ってる場合じゃないよ…!それでも勝ちにいくんでしょ!?」
ウチは自身のイヤホンを地面に差し込む。
そして、あなたの " 音 " を探る。
見渡す限りあなたの姿は見当たらない。
周りは建物ばかりで、どこから出てくるか分からない。
頼れるのは、 " 音 " だけ 。
耳郎 「 ………ッ !来る… !!」
ウチは素早く、地面に差し込んでいたプラグを外し
スピーカーブーツに差し込む。
そして、衝撃波を放つ。
建物などに被害は加えないように、
でもあなたには届く範囲に操作して。
雨の日、特に湿度の高い日は音が聞こえやすくなる。
それは衝撃波も同じだ。
雨天時の方が、衝撃は強くなる。
いつもより、ウチは有利の立場にある。
上鳴が闘えないなら、ウチが頑張らないと……!!
あなた 「響香ちゃんの個性、やっぱり厄介だね… !」
耳郎 「上から…ッッ!!」
油断した。
てっきり、前から来るものだと思っていたから、
頭上から来るなんて想像もしていなかった。
見上げると腕を後ろにし、手から水を放出させながらウチラの方に落ちてくるあなたがいた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。