【橋本将生side】
家に帰ってきたはずなのに、どこか落ち着かない。
俺は夕食の用意をすぐに済ませた。
そして口の中に入れて、喉に通した。
次の瞬間、強烈な吐き気が襲ってきた。
俺は慌ててトイレに駆け込んだ。
そして口の中のものを、全部出してしまった。
どうして。
俺はまともにご飯すら食べられなくなったの?
何とか水は飲むことに成功した。
とりあえず俺は作ったご飯をラップにかけて冷蔵庫にしまった。
そんな淡い期待を抱いた。
こんなふうになった自分を認めたくなかったから。
朝。
目覚めの光が目障りな朝。
結局は、寝れなかった。
ずっとずっと、起きていた。
でも、今日も仕事があるのだ。
サボる訳にはいかない。
俺は作り置きの小さめのおにぎりをお腹に入れた。
この感覚って。
俺はまたしてもトイレに駆け込んだ。
ビチャビチャと汚い音が鳴る。
俺は呆然とする。
本当にどうしよう。
あの後ゼリー飲料を買って、無理やり飲み込んだ。
吐き気はしたが、普通の食べ物よりはマシだった。
お昼のお弁当、どうしよう。
まぁ、どうせ吐くだろうけど。
彼はすぐに俺に駆け寄ってきて心配してきた。
彼は俺の顔をじっと見て、こう言った。
俺は翔太くんの呼ぶ声を無視した。
彼に迷惑なんて、かけたくなかったから。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。