時は進み、
あの試験から約一週間。
私は
国立ヒーロー協会の本部施設の中、
会議室の前に立っていた。
案内役のスタッフさんが
重そうな木の扉を手で示し、
小さくお辞儀して
今来た道を戻っていく。
…入れってことかな。
今からヒーローと対面するという実感は
ヴィランとしても、
仕事場初出勤の人間としても
何だか緊張して
細く、深く
息を吐き出す。
ドアノブに手をかけ、
ゆっくりと回しながら
私はそんな声を上げた。
扉を開けるや否や
目に飛び込んできたのは、
特徴的な色の頭の
椅子に腰掛ける青年たち。
佐伯さんはまだ来てないのかな、
姿が見えないけれど。
…その中に、
確かに
黄緑色の、稲妻のメッシュの入った
黒髪の彼を見つけて
私は、きゅっと喉が閉まるのを感じた。
当然、
急に部屋に入ってきた人物に
注目が集められ
その
コーラルピンクの宝石を嵌め込んだみたいな瞳と
視線が、ぱちりと合う。
何か言わなきゃ、と
口篭った末に飛び出た
人見知りの自己紹介時みたいな、
愛想や明るさのカケラもない声色で発せられた言葉の羅列。
私を見つめる赤桃色の瞳が、
ぱち、と瞬かれる。
そして…
後ろからかかった
聞き覚えのある爆音の声に、
思わず前のめりにすっ転んだ。
あなたの下の名前ちゃんがヒーロー本部にいる理由は次回明かされます🙌
まあほぼ予想ついてると思いますけど😅











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。