冬馬くんと別れたあと、
私たちは近くの公園まで走った。
公園では暗闇の中で虫が鳴いている。
それに、
酷く、鋭い声。
予想もしていなかった返答に、声が出ない。
ただ “ 怖い“ としか思えなかった。
彼が何を言っているのか理解できない。
彼が私の方に歩み寄ってきて、
私の腕を掴んだ。
咄嗟に、その掴んだ手を払いのけてしまった。
怖い。
“逃げなきゃ“ と頭では分かっているのに、
体が震えて動かない。
ただただ、彼を見つめる事しかできない。
じりじりと詰め寄ってくる彼。
勝手に足が後ろへ下がる。
彼が深いため息をついた。
彼の一つ一つの動きに身を構えてしまう。
私は、彼のことが好きだった。
でも、今は違う。
彼の求めている答えがなんなのかは
分からない。
最後まで言い切る前に、止まった。
いや、厳密には止められた。
彼の細い指に、口を塞がれた。
ぱっと、私の口を塞いでいた手を離した。
“俺のところに戻る“
つまり、また恋人になる、ということだ。
ぐいっと私の腕を引っ張り、
さっき通った道とは反対に歩き出した。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。