第9話

シクフォニ いるらん《後編》
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2026/01/02 08:14 更新
暇72
いるまぁ、このあと暇ぁ?
会議の後、通話から落ちようとするとちょうどなつが声をかけてきた。
いるま
暇ではあるがらんの家行ってみよっかなって
暇72
何故w?
いるま
だって、アイツ俺がいくら休めって言っても休まないくせに珍しく休んだから相当体調悪いんかなって
決して心配というわけではなくもしも食べるものがなくてお腹をすかしていたら可哀想だから様子を見に行くだけだ。
決して心配なわけじゃない。
暇72
あっそ
通話越しなのになぜかなつのニヤついた顔が頭に浮かんで無性に腹が立った。
ピンポーン
5回目のチャイムを押した。
しかし結果は見ての通り空振りだ。
果たして体調が悪くて出れないのかそれとも女と遊びに行ってるのか。
後者はぶっ飛ばす。
いるま
らん〜?
呼びかけてみるが家の中からは返答はない。
試しにドアに手をかけると不用心な事に開いた。
ったく。鍵ぐらい閉めとけ。
玄関をみるといつもらんが履いている靴が並べられていることから家にはいるらしいということが分かった。
いるま
おじゃましまーす
あるしゅの罪悪感を感じながら玄関に上がる。
いるとしたら寝室だと言う見当を付けて突き当たりの部屋に近づく。
その時、かすかに鼻をすする音が聞こえる。
音は寝室からした。
いるま
らん?
恐る恐る部屋を覗き込むと大きく膨らんだ布団が目に入った。
いるま
らん?
今度はもうちょっと大きな声で呼びかけると布団の中の物体がビクっと跳ねた。
LAN
いるまぁ………?
いつもより少し掠れた声は風邪だと思えば納得できる。
だか、布団から覗かせたらんの瞳は涙に濡れていた。
いるま
らん…?
びっくりして駆け寄るとらんは布団を頭の上までたくし上げた。
いるま
どしたん?
頭痛い?と聞くと首を横にふった。
代わりに嗚咽をもらす。
「いるまぁ……」と小さな声でもらすらんはいつもの頼もしいリーダーの面影は感じられなかった。
いるま
風邪?
再び尋ねるとらんは返事の代わりに嗚咽混じりに呟いた。
LAN
俺って必要ない…?
何バカなことを。
そう笑い飛ばしてやろうと思った。
しかし少し覗いたらんの瞳は殊の外真剣で心配そうだった。
いるま
必要に…決まってんじゃん
なぜだからんのその姿に胸を締め付けられて必死の思いで声を絞り出した。
「そっかぁ」と小さく微笑むらんはそれでも納得できないようだった。
そこで始めてらんはなんでこんなに落ち込んでるのか考えた。
俺やメンバーと喧嘩したってこともないだろうし家族と喧嘩ってこともなさそうだ。
活動が伸び悩んでるわけでもなさそうだから果たして何が理由なのか。
ピコン
スマホの着信音が聞こえる。
自分のスマホを開いてみるも着信は来ていない。
いるま
らん、スマホ
机の上に置いてあるらんのスマホを渡そうと手を伸ばした時、たまたまスマホの画面に映っている文字列が見えた。
なんでロックしてないんだよと突っ込みそうになるのも束の間、次の瞬間には息をのんでしまう。
俺の認識が甘かった。
らんはいくら少数派からのアンチだろうと誹謗中傷だろうと気にしてしまうのだろう。
気にすんなというのは簡単なのかもしれない。
でも必要以上に素直ならんはそれを無視することができなかったのだろう。
……なんで全部1人で。
……1人で抱えて。
いるま
ごめん、らん気付けなくて
みるみるうちにらんの目に涙がたまっていく。
らんの頭を撫でてやるとらんは本格的に泣き始めた。
LAN
誰にも嫌われないようになんて無理だって分かってても……!でも……!
らんの苦労を分かってるつもりでいたけどなんにも分かってやれてなかった。
いるま
名前も知らない奴に何言われたって信じんなよ……
やっとの思いで声を絞り出すとらんは体をこわばらせて小さく震える。
LAN
誰かに嫌われるのって怖い
LAN
それが……それが俺のことをよく知らなかったとしても……怖いよぉ……
いるま
じゃあ、俺の言葉を信じろよ
一緒に数年間過ごしてきた俺の言葉なら、らんも信じられるんじゃないか。
一緒に笑い合ってきた仲間だからこそ言葉の重みが変わってくるんじゃないか。
いるま
名前も知らない奴なんかより俺のこと信じてろよ
目を見開いたらんは涙をぬぐった。
LAN
うん………
らんは聞こえるか聞こえないか分からないぐらいの声で頷く。
LAN
あんがと
らんの頬を伝っていた涙をぬぐってやるとらんはようやく微笑んだ。
さっきの気を使ったような微笑みでも無理した微笑みでもなく。
LAN
いるまぁ、……大好きだぉ……
そんならんの言葉は俺の心に深く響いた。
数年間一緒に過ごしてきた仲間だからこそ言葉に重みがあったんだ。
『俺も』
そんな言葉は胸のうちに抑えてらんのおでこを弾く。
いるま
バーカ、何言ってるんだよ
『知ってた』
毎回思うんだよな、これは果たしてリクエストされたものなのかという。
これはこれで需要はあるけどなんか違うんだよなぁ
導入が長くてほんまに書きたいところ書けてないわ
ということで、い め なちゃんのリクエストでいるらん書きましたー!
今回の短編はどうでしたか?
コメント&リクエスト待ってまーす。
おつあさ!
P.S.アイコン変えたの気付いた?

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