第5話

#4 「積極的に②」
810
2024/06/13 08:00
遡ること数時間前
数学で先生にあてられてからずっと考えていた。
…ゆあんと、触れ合うにはどうすればいいのか。

ゆあんは、ボディタッチがあまり好きではない。(たぶん)
でも、それ自体が私は嫌なのだ。

もっとくっついていたい。

……そう思うのは、か、彼女だし…いいよね?
(なまえ)
あなた
(とにかく、もっと私のことを見てくれればいいのかな?)
そのためには、まずゆあんにもっと好かれる必要がある。
というか、私が積極的になる必要がある。

一定の距離を保っているのは私も何も言ってない。

そこを、私がもっと積極的にアプローチすれば、もっと私だけを見てくれるんじゃないかっていう憶測。

……あれ、私ってこんなに独占欲強かったっけ…?

まぁ、いいや。ゆあんが好きなのは事実だし。
(なまえ)
あなた
(好きって私からいっぱいいう?
 ……いや、はっず!!!///)
でも、これだけで恥ずかしがってちゃだめだ。

なんでもこい状態でアプローチしなきゃいけないんだから!
(なまえ)
あなた
(と、とりあえず…昼休みに
 やってみる…か?)
恥ずかしいけど、やるしかない!
(なまえ)
あなた
ゆ、ゆあんッ?
ゆあん
ゆあん
うん、どうしたの?(笑)
わ~!!声裏がったァァ!!
ばか!!私のばかぁ~!!(泣)
(なまえ)
あなた
あ、あのさ。ゆあんってボディタッチとか……
嫌いなの?
ぅおい。いきなりぶっこみすぎだろ、私!
ゆあん
ゆあん
うぇ…?……あー、嫌い、ではない…よ?
若干目をそらし気味にそうつぶやいたゆあん。
(なまえ)
あなた
え。ほんと?
ゆあん
ゆあん
うん…
(なまえ)
あなた
ほんとッ!?(´。✪ω✪。 ` )
ゆあん
ゆあん
ほんとだって!///
(なまえ)
あなた
……じゃあ、手、つなご?///
自分で行ってはずくなるな、これ。

世のリア充サンたちはこんなことをしてるのか…。
ゆあん
ゆあん
ん、
ゆあんはそういってズイッと右手を差し出す。

子供っぽいゆあんが可愛くて「ふはw」と笑ってしまった。
ゆあん
ゆあん
ちょっと、何笑ってんの///
(なまえ)
あなた
いや、ごめんごめんw
私はそのまま、ゆあんの手をギュッと握った。

ゆあんは、握られた手をじっと見つめている。
(なまえ)
あなた
……ッ!?///
いきなり、スルリと恋人つなぎをされて私は顔を真っ赤にする。

ゆあんは、そんな私を見てニヤニヤしている。
ゆあん
ゆあん
あれぇ?なんでそんな顔真っ赤なのかなぁ?
もしかして、これだけで恥ずかしがってる?
思わずカチンときた。

私はスン、と真顔になるとぎゅぅっとさらに強く手を握る。

ってそうじゃないそうじゃない。

今でしょ、積極的になるのは。

久しぶりに手をつなげたんだから…!!
(なまえ)
あなた
ね、ゆあん。こっち見て。
ゆあん
ゆあん
ん~?
なんとも思ってなさそうな顔でこっちを見たゆあん。
私はスーッといきを吸った。

……やばい、こんな近くで好きっていうの、めっちゃ久しぶり。
はずかしっ!!
(なまえ)
あなた
ゆあん、大好きっ…!!///
うぅ、なんか耳まで熱いんですけどっ!
ゆあん
ゆあん
は……?
ゆあんは面食らったように目を見開いて固まる。

え、思ってた反応と違うんですけど。(真顔)
(なまえ)
あなた
(あれ?
 でも、じわじわ赤くなってきてる…?)
ゆあん
ゆあん
あ~、もう、我慢とか無理…
(なまえ)
あなた
んぇ…?
我慢とか無理、って言った?

ねぇ、ゆあん、何を我慢して___
ゆあん
ゆあん
俺も大好きだよ。
まっすぐに私を見つめてそう言ったゆあんの顔は、さっきまでの少し取り乱した顔とは全く違った。

私が見たことのない、ゆあんの顔。

まるで__






























__狼のような、ぎらついた瞳。それに見つめられた私は……













___不意にもゾクッとしてしまった。

プリ小説オーディオドラマ