あの後先輩は家まで送ってくれて
しっかり休みなよ
って言ってくれた
帰っていく後ろ姿を見ながら
今亜嵐先輩を好きになれたら
どれだけ楽なんだろうな
って考えたけど、
私にはやっぱりそんなことできなくて
自分でもつくづくバカだな。って思う
部屋に入って
LINEを開く
すると、向こうも送ろうと思ってたのか
すぐに既読が付いて
こうやってLINEして
本当に笑っちゃうのが
いつもの日課になってきて
楽しいな~
って思う
”新しい恋を見つける” か……
それだったら
早く涼太くんに気持ち伝えて。
潔く振られて。
素早く諦めて。
新しい恋を見つける。。?
いやでもそんなすぐに
諦められるわけがない……
って私いつの間にこんな恋してるんだろう
恋。のことを聞いてみようかな
そう思い続けてたら
もう夏休みが終わって。
宿題もちゃんと終わった笑
また学校が始まって
久しぶりの学校にまだ皆は慣れてなくて
ぎこちないけど。
私の隣の席で笑ってる涼太くん
………恋。だよね~……
昼休み。
皆には今日だけは保健室で食べるね。
って伝えて
保健室に向かう
天井を見上げながら考える先生は
とても綺麗で。
私が男だったら惚れてるな。
って思った
”色んな感情”
そっか。
恋って嬉しいことばかりじゃないんだ
まぁ……そりゃそうか
今だって好きな人には彼女居るのに
気持ち伝えようとしてるから…
そう微笑む先生を見たら
すっごく元気貰えて。
なんだか伝えられそうな気がしてきた…!
〈亜嵐side〉
売店でパン買って教室に戻ろうとしたら
保健室にあなたちゃんが入っていくのが見えて
ドアを開けようとおもって
手を伸ばした時
手が一瞬で止まる
そっからあんまり話聞こえてなくて
照れてる。
っていうのが声でも分かって
保健室の先生が告白するように
めちゃくちゃ後押ししてて
告白する決心でもついたのか
すごく元気が良い声で言うから。
小声でそう言って
教室に戻る。
よし、あなたちゃんに俺のことを考えてもらうのはやめよう。
体育大会が
最後のあなたちゃんとの思い出作りにしよう
またそんなこと言いながら
まだまだ暑い外を窓から眺めながら
俺、失恋したの初めてだわ。
って
変にかっこつけてた。笑
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。