そう言いながらジリジリと詰め寄る"Lyra"に、
"Scorpio"はストレートに言い放った。
ダメージを受けた"Lyra"は一度立ち止まった。
"Lyra"は止めていた足を再び進めていく…。
"Scorpio"は目つきを変え、銃口を向けた。
その伸ばした右手には、”二重の悪意”が握られている。
"Scorpio"は一瞬だけ、かすかに動揺した。
それは脳裏に焼き付いた記憶。
忘れられない過去。
"Lyra"は立ち止まった。
その右手にはいつの間にかナイフが握られている。
"Lyra"はそう言いながら右手を振り上げ、自らの左肩を、
刺した。
少し身をひねり、ナイフが刺さったままの左肩を抑える。
痛みを滲ませた表情であっても、正面の少年からは目を離さない。
気づくと、琴の音が辺りに鳴り響いている。
"Scorpio"はもはや動揺を隠しきれていなかった。
「あなたのことが大好きだから、大切だから…」
「あなたのためなのよッ!!!」
忘れようとしていたのに。
それはいまだ鮮明で。
構えた銃はそのままに、しかし明らかに握る力は弱々しくなっていた。
銃口がわずかに震えている。
少年の様子を見て、"Lyra"はそう呟いた。
”思い出したくない…っ”
その一心が、"Scorpio"の正常な思考を妨げていた。
”いやだ、思い出したくない…っ!”
琴の音がひときわ大きくなっていた。
"Scorpio"の視界で、次第に女の輪郭が歪む…
気づくとそこに立っていたのは —
うるさかった琴の音は止んでいた。
…
主)30話なのにめっちゃ遅れました…!
次はさすがにここまで空かないように書きたいです!
読んでくれている皆さまいつもありがとうございます m(_ _)m
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。