you side
リーとレストランで食事をし、リーのアパートに帰る
マンションなどはなく、築100年越えのアパートは外装に比べて中は綺麗だった
ベランダで夜風に当たりながらタバコを吸う
シャンパングラスを持ったリーが出てくる
リーは部屋に戻り電話をかける
電話を終えたのか、ベランダに戻ってきた
隣のリーの体温が心地よい
リーの心音を聞きながら意識を手放した
リー side
久しぶりにみたあなたは美しくなっていた
SNSや雑誌で見慣れているのにいざ本人を目の前にすると何も言えなかった
あなたの恋の行方は知らない
けど今は僕の目の前にいる
映画の撮影で半年も一緒にいることになる
それは僕の理性を壊すのに十分だ
監督ってどんな人なんだろう
会ったこともなく、演技の経験もない僕を指名したのだろう
メディアに一切出てこなくて、授賞式にすら影武者を寄越すような変わり者だと有名みたいだけど
ふと見るとあなたは眠りについていた
抱き抱え、ベッドに寝かせた
寝返りを打つと鎖骨にはキスマークが見える
僕のあなたに印をつけたのは誰なんだ
だからあなたは輝いていたのか
苛立ちが止まらなくてキッチンの換気扇の下
タバコに火をつけた
ジノside
記事を書いてから胸がざわついてる
あなたに電話をかけるもやはり繋がらなかった
you side
目を覚ますと温もりを感じ、無意識に抱きついた
けど、嗅ぎ慣れた香水の匂いではないことに気づいて眠気が吹っ飛んだ
リーが私の唇を指でなぞる
寝室のドアが勢いよく開く
そこには怒っているロイがいた
ロイとベランダに出て、電子タバコの電源を入れ、加熱まで待つ
ロイから薬を受け取る
私は水蒸気を吸い込み、パリの美しい朝に吹きかけた
電子タバコを吸い終え、普段の紙巻きに火をつける
紙巻きの紫煙を吸い込み、大きく吐くとタバコを薬に押し付ける
私は外に向かって叫ぶと
ベランダの前の通りを早歩きで歩くリーがこっちを見る
なんだろう、この空気感が心地よい
ふざけあえるこの時間が最高に楽しい
私も覚悟はできた
神様、決めてよ
私の人生
ジノside
忙しく日々は過ぎてゆく
あなたとはもう1週間も連絡をしていない
SNSは更新しているのに
リーさんとの楽しい写真が彩られる
あなたが昔吸っていた甘いタバコに似た匂いがする
振り返るとロイさんがいた
3人で部屋に入る
重い空気を破ったのはマスターだった
ダヴィンチのような天才はライさんのことだ
作品のモデルはあなたのことだ
だけど最後のやり取りの意味がわからない
責任とはあなたとの未来はないということだと重くのしかかる
3人で部屋を出る
僕は隣の部屋のフイを訪ねた
入隊までのことは覚えていない
ひたすら仕事が忙しかったとしか
頭を剃った時、マスターに耳打ちされた
慣れない頭を撫でながら門をくぐった
あなたに会う日を楽しみにして
you side
携帯の日付を見るとジノが入隊する前日だった
連絡したくなる気持ちを抑え、台本に目を通す
姉さんと控室に入る
トイレに行き、検査をする
何を願ったらいいのかわからず1分が長く感じる
耐えられなくて姉さんを呼ぶ
これでよかったんだよね、神様
衣装に着替え、背筋を伸ばしてカメラの前に立った























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!