ホンソクside
あなたが勝手にキスしてこんなこと言う
煽ってくる顔は色気が漏れていた
自ら、あなたの唇に重ねる
後頭部を優しく押さえる
角度を変え、舌を入れる
タバコの苦味を感じる
離れると、あなたの唇は艶かしく濡れていた
あなたは声がハスキーでゆっくり話す
髪をかきあげるとそのまま芝生の上に寝転んだ
甘えたい時だけ甘えると自由に動くあたり、猫に似てる
芝生で寝込んでるあなたの横にフイヒョンも寝転ぶ
反対側にはイェナンが甘えたいかのようにぴったりくっついている
イェナンが僕が最も知りたいことをストレートに聞く
だってさ、キスの上手下手がわかるくらいなのだから
マスターが作り上げたあなたはマスター色に染まっていて嫉妬してしまう
冷静を装えず、顔が強張っていたようだ
僕もまだまだなのかな
寝転びながら上目遣いされ、ましてやこんなことを言われ、好きにならない訳がない
僕の心臓はこれでもかと騒がしい
抑えきれなくて喉の渇きを覚え、その場を離れた
小声でそう呟いた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。