第11話

第11話 富山の銀河魔術師
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2023/03/13 02:06 更新
津河原閏
津河原閏
(うう…前が見えない…。)
と、閏は思った。
今日は待ちに待った幕張プレモンモフモフフェスの日だ。私は猫まんまさんといっしょに会場の中へと入った。
明島ゆり
明島ゆり
わあ…ここも盛り上がっているわね。
すると
桂石直虎
桂石直虎
あ、ゆりちゃん!!
という声が聞こえた。振り向くとそこには直虎がいた。
明島ゆり
明島ゆり
あ、直ちゃん。直ちゃんもこのイベントに参加するんだね。
桂石直虎
桂石直虎
ええ、お互い頑張りましょ。
すると
津河原閏
津河原閏
あのー、もしかして明島ゆりちゃんですか?
という声が聞こえた。振り返ると私と同じくらいの歳の女性が立っていた。
明島ゆり
明島ゆり
はい、そうですが…。
津河原閏
津河原閏
私の名前は津河原閏といいます。もしよかったらこの後いっしょにバトルをしてくれませんか?
明島ゆり
明島ゆり
ええ、いいわよ。こちらこそよろしくね。
私の名前は津河原閏、富山県に住む高校二年生だ。私の家は弟とおばあちゃんの三人暮らしだ。私はいわゆるおばあちゃんっ子なのである。
私のおばあちゃんは昔、上京してモデルとして活動していた事があるらしい。
津河原閏
津河原閏
おばあちゃん、モデルってどんな事をやっていたの?
「おばあちゃんがモデルとして活動していた当時は戦後の経済成長真っ只中の時でね。女性の間ではセミ・フレアのスカートやワンピースが注目されていたのよ。おばあちゃんはそういう服を着て撮影に挑んだり、雑誌の取材を受けていたりしたのよ、おかげで当時はおばあちゃんも有名人の一人だったのよ。」と、おばあちゃんは言った。
津河原閏
津河原閏
へー、有名人って幸せ者なんだろうなー。
「いいやあ、そんな事ないよ、有名になってしまえば自由に街中を歩く事だってできなくなるし、何より変な人にストーカーされたりする事もあるのよ。」と、おばあちゃんは言った。
津河原閏
津河原閏
へー。
夜、私は自分たちの部屋へと向かった。部屋では弟の大輝が図鑑片手に星を眺めていた。
津河原閏
津河原閏
ねぇ、ちゃんと星見えてるの?
大輝
大輝
うん、あれが夏の大三角形でしょ?で、こっちの一番光が強いやつが…えっと…
津河原閏
津河原閏
あれは金星ね。
大輝
大輝
あ、そうだった。
大輝
大輝
俺将来天文学者になりたいんだよね。
津河原閏
津河原閏
あんたが天文学者?あんた宇宙の事どれくらい知っているの?
大輝
大輝
太陽から順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星ってあるのと木星から海王星までは全てガス惑星で地面がないって事くらいなら理解しているよ。
津河原閏
津河原閏
そっか、まあ夢を持つのは自由だからね、そろそろ電気消すよ。
私は電気を消し、布団の中に入った。
津河原閏
津河原閏
宇宙か…そういえば宇宙にはたくさんの星があるけど、生物が住んでいるのは今の所地球だけなんだよね?
津河原閏
津河原閏
水星は確か太陽から近過ぎて水分が蒸発してしまっているし、逆に冥王星は太陽から遠過ぎて氷の惑星と化しているし、地球って本当丁度いい位置にあるんだね。
津河原閏
津河原閏
でも位置だけではないか、近くにある火星は大気の層がないから放射線を浴びて物がすぐ酸化するからとても生物が住める環境ではない。そう考えると地球ってあらゆる条件が奇跡的に揃った奇跡の惑星なのね。私たちももっと地球を大切にしないと。
とある休日、私は部活のため早めに家を出た。私は地域ボランティア部に所属していて今日は部のみんなで地域のイベントのお手伝いをする事になっている。
早速私たちは集まってイベントの役割分担を始めた。
部長
部長
誰かこのカモたんの中の人やってもらいたいんだって。
津河原閏
津河原閏
ゆるキャラの中の人、ですか…。
部長
部長
とりあえずジャンケンで負けた人がやるって事でいいかな?
部長
部長
ジャンケン…ポン!!
ジャンケンを始めた。みんなはグーで私だけチョキだった。
津河原閏
津河原閏
…え、ウソ、そんな事って…。
部長
部長
じゃあよろしくねー、閏ちゃん。大丈夫、私が介抱してあげるから。
結局私はゆるキャラカモたんの中の人をやる事になった。
私は早速カモたんに変身した。
津河原閏
津河原閏
どう?変身じゃない?
部長
部長
うん、大丈夫だよ。
津河原閏
津河原閏
(それにしてもゆるキャラの着ぐるみってなんでこんなに動き辛いのかな?)
部長
部長
さあ準備はいい?カモたん!!
カモたん姿の私はみんなの前に姿を現した。子供たちが目を輝かせている。
津河原閏
津河原閏
(うう…全然周りが見えない。)
小さな目の部分から微かに外の様子が見える程度だ。
津河原閏
津河原閏
(写真撮られてる!!笑顔笑顔…あ、でも私の顔、見えないんだよね?もっと腕を動かすか。それにしても動き辛いな…。)
十分後、カモたん中はとても暑く滝のように汗が流れ出ていた。
津河原閏
津河原閏
(はぁ…はぁ…私の体は太陽かよ…。)
すると突然カモたんの体に衝撃が走った。
(ドン!!)
津河原閏
津河原閏
わあ!?
津河原閏
津河原閏
(なんだなんだ!?)
「それそれ!!」と、小さな子が騒いでいる。どうやら子供がカモたんの体をパンチしているようだ。
(ドンドン!!)
津河原閏
津河原閏
(ちょっとやめて!!おーい!!部長!!部長!!)
私は両手を大きく振って部長を呼んだ。
部長
部長
あー、はいはい君たち、殴るのはだめよ。
部長は攻撃を阻止した。
津河原閏
津河原閏
(…はあ、助かった。おばあちゃんが言っていた有名人は大変という意味がよくわかったよ…。)
さらに二十分後、私は暑さでもうろうとしていた。
津河原閏
津河原閏
(ああ…後十分耐えれば…。)
すると子供たちの笑い声が聞こえてきた。私はぼやける光の先を覗いた。
そこにはカモたんを見て喜ぶ子供たちの姿が見える。
津河原閏
津河原閏
(なんかみんなの笑顔が眩しいな…あ、そうか。今の私は子供たちを明るくする太陽のような立場なんだ。太陽が地球を照らすように…暗い宇宙の中に太陽という名の私がいて、その先に光輝く地球があって輝く地球の上で子供たちが笑っている。着ぐるみも宇宙もいっしょなんだ…。)
着ぐるみの凄さを知った私はその後、プレモンガールになって今に至る。
津河原閏
津河原閏
(地球の半分は夜、そして月の半分は暗闇、ならば私が太陽になってその部分を明るくしてみせる!!)
バトルの時間となり私と閏はそれぞれのキャラに変身した。私はスターグミ・ラビット、閏はアンテキティラというウサギのキャラだ。
津河原閏
津河原閏
アンテキティラ、天文、時空、重力を司る事ができる最強のスペースケモノよ。
閏は観客席にいるおばあちゃんをみつめた。
津河原閏
津河原閏
おばあちゃん、私、頑張るよ。
「それじゃあ始めるぜー!!バーチャル、スタート!!」
会場がバーチャル空間へと変わった。
「それではバトル…スタート!!」
(チーン!!)
バトルが始まった。最初に攻撃を始めたのはアンテキティラだ。
津河原閏
津河原閏
太陽フレア!!ダイナマイト!!
アンテキティラは両手を広げた。するとアンテキティラの背後で大きな爆発が起きた。
(ドカーン!!)
明島ゆり
明島ゆり
わ!!あっつ!!すごい熱波だ。
津河原閏
津河原閏
まだまだ行くわよ!!重力操作!!
アンテキティラは両手を強く振り下ろした。するとスターグミの体が突然浮き始めた。
明島ゆり
明島ゆり
え!?ウソ…
津河原閏
津河原閏
自転回転!!
アンテキティラは人差し指でくるくると重力を操作し始めた。スターグミの体は宙で観覧車のようにくるくると回っている。
明島ゆり
明島ゆり
その技ずるい!!わあ、目が回る…。
津河原閏
津河原閏
これが重力の力よ!!
明島ゆり
明島ゆり
なんて手際の良さなの、相手に隙を与え続けてしまったらくずにやられてしまうわ。よし、ならばこの重力を利用して…。
私は攻撃の準備をした。
明島ゆり
明島ゆり
スターグミキューピット!!
スターグミは宙に浮いた状態で星形の巨大グミをアンテキティラに向けて放った。
(パン!!)
津河原閏
津河原閏
きゃ!!
グミはアンテキティラに命中した。
明島ゆり
明島ゆり
よし!!攻撃や技が最強でも防御力が全然ないみたいね。
津河原閏
津河原閏
クソ!!万有引力!!
スターグミはリングの上に落ちた。
明島ゆり
明島ゆり
きゃ!!
(ボヨーン!!)
津河原閏
津河原閏
必殺技行くわよ!!
アンテキティラの周囲が宇宙空間へと変わり、スターグミとアンテキティラの間に小さな水星から冥王星が連なった。
津河原閏
津河原閏
惑星直列!!日食光線!!
ドミノ式に惑星が破裂し、強力なビームが生まれた。
明島ゆり
明島ゆり
お菓子作り!!ホイップキャノン砲!!
スターグミはは大量のクリームをアンテキティラに向けて放った。
(ドーン!!)
リングの中央でクリームとビームがぶつかり合った。
明島ゆり
明島ゆり
はあああ!!
お互い全く譲らない状況が続く、すると突然クリームとビームが化学反応を起こし大爆発が起きた。
(ドっカーン!!)
津河原閏
津河原閏
きゃ!?
明島ゆり
明島ゆり
わあ!?
スターグミとアンテキティラはそのまま爆風で飛ばされ二人共ラインの外に飛び出した。
「決まったー!!今回のバトルは引き分けだー!!」と、司会者は叫んだ。
私たちは起き上がった。
津河原閏
津河原閏
はぁ、引き分けかー、つまんない。
明島ゆり
明島ゆり
まあこのバトルがトーナメントじゃなかっただけましだけどね。
津河原閏
津河原閏
ゆりちゃん、やっぱりあなた強いわね。流石だわ!!
明島ゆり
明島ゆり
そんな、能力や攻撃面では閏ちゃんに完全に負けているよ。私ももっと頑張らないと。
夜、閏はおばあちゃんといっしょに家へと帰った。
津河原閏
津河原閏
おばあちゃんごめんね、私勝てなくて…。
「いいのよ、大事なのは勝敗なんかじゃないわ。それより、今日の閏ちゃん、とても輝いていたわよ。まるで昔の私を見ているかのようだった…。」と、おばあちゃんは言った。
津河原閏
津河原閏
おばあちゃん…。
「また昔のような気分を味わってみたいわね。」と、おばあちゃんは言った。
津河原閏
津河原閏
…そうだ!!ならおばあちゃん、あれやってみる?
一週間後、おばあちゃんはパソコンを見て何かを語っていた。
「私が二十代の頃、上京してファッションモデルをやっていてね。」と、おばあちゃんは言った。
大輝
大輝
ねぇ、おばあちゃん何やっているの?
津河原閏
津河原閏
Vtuberよ。これなら声だけだしおばあちゃんでもできるでしょ?
大輝
大輝
確かにおばあちゃん楽しそうだね。
その日の夜、閏はプレモンウォッチを見ながら夜空を眺めていた。
津河原閏
津河原閏
(夢の世界を作るには夜も必要なのかもしれない。そして私はその夜の暗闇の中でひときわ輝く星になってみせるんだ!!)
おまけイラスト
津河原閏、アンテキティラ

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