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第4話

Prolog 2
51
2024/06/09 12:57





side藤崎圭


「……て、…きて………起きて…」
うるせぇ起こすな……もう少し寝かせろ…。後でめちゃくちゃ急いで準備するから…
「圭〜、早く起きないと遅刻しちゃうよ〜」
誰だ……おふくろ?なんでここにいんだよ。つかその学生起こすみたいな言い方やめろ……
「けーい!圭ってば〜」
いやでも、おふくろの起こし方はもう少し雑だったはず……………





_小夜@さよ_
小夜さよ
あ、起きた。おはよ〜圭。
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
……………
おはよう、と言いかけて言葉を失った。
誰だ。
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
誰だ
頭がそう叫んだ瞬間声にも出ていたらしい。だが目の前の男はきょとんと不思議そうな顔をしている。
_小夜@さよ_
小夜さよ
小夜だよ?
目の前の黒と茶色の髪をした男は言った。頭には猫耳……ファッションか?そんなもんダルい盛り上がり方した飲み会の罰ゲーム以外でつけたがるやついるんだな。
………なんて、現実逃避を初めてみた。
だってそうだろう。寝起きに加えて情報量が多すぎる。なんだ、これは夢か??
それに、目の前とは言ったが俺は起き上がっていない。つまり俺は男にベッドで床ドン的なあれをされている。なぜだ。
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
くだらねぇ冗談は大概にしやがれ朝っぱらから………誰だお前。泥棒か?見りゃわかるだろ、金目のものなんてねーよ
_小夜@さよ_
小夜さよ
えぇ……寝ぼけてんの?
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
あぁ?
_小夜@さよ_
小夜さよ
だから俺は小夜だって
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
小夜は猫だぞ
_小夜@さよ_
小夜さよ
うん
…………うん??
いや、なぜ「当然だろ」みたいな顔をしている?
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
お前人間だろ
_小夜@さよ_
小夜さよ
……………?
確かに、毎朝俺の上に乗って俺を起こそうとしてくれるのは小夜の癖…?というか習慣だ。
………と、ここまで考えてふと1つの考えが頭をよぎる。
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
(いや……まさかな)
いやしかし、どうしてそんなことになってんのかは置いといても、そうじゃないと説明つかなすぎだろこの状況……
なぜ俺と小夜しか知るはずのない習慣をコイツはやっている?というかなんでここにいるんだ。そして小夜はどこだ。
お互いに沈黙が続く。
男は俺の頭の真横に腕を着いた体制のまま、徐々に目を見開いて驚いたような顔をした。
_小夜@さよ_
小夜さよ
……け、圭と会話できてる…
_小夜@さよ_
小夜さよ
というか、俺人間になってる………!?
今ので何となく察してしまった。
コイツは小夜だ。気づくのも反応もとろすぎる。
_小夜@さよ_
小夜さよ
ど、どうなってんの……
_藤崎@ふじさき_ _圭@けい_
藤崎ふじさき けい
知らん………俺が聞きたい……
とりあえず今日は会社を休もうと決意した。





一体なんの気まぐれか。
その日、「ペットと会話したい」という日本中の飼い主の願いと、「人間になりたい」という日本中のペットの願いが、なんの予兆もなく突然叶った。





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