第24話

優しく受け止めて(誠也・健・大晴)
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2022/12/02 18:29 更新
絶不調だった子供の小島が眠ってから正門がリビングに一度出ると、

絨毯に座って小さなパズルをしていた幼い大晴が
「こじけんだいじょぶなん???」
と心配そうな顔でこちらを見る。



大晴の隣に座って
「めっちゃしんどそうやった。何回も吐いてるしな。今やっと寝たとこ」
と言う。

「かわいそうやな…」

「誠也くん呼んで来よかな?」

「??なんで?」
小さい大晴が不思議そうにくりくりのお目々で見上げる。

「小島、俺にうつる言うて、めっちゃ気ぃ遣うんよ。この前、俺のこと鬼や言うてたやんな?」

「ははっ、きいてたん?」
幼い大晴に笑われる。

「聞いてた」

「こじけんな、さっき、ぐあいわるなる前、
うわーこどもなったーいうときな、
「まっさんおってよかったぁ」言うてたで」

「そうなん??鬼やって言うてたのに?」

「そんなんノリで言うただけやん、こじけんやで??」
幼い大晴にあっさりと当然のように言われて、
正門はなんとなく安心する。
「まっさんにうつる言うんも、ホンマにしんぱいしてるだけやとおもう。
だれかちがうひと呼んできていうことやないよ。こじけん、まっさんのことたよりにしてるで、きっと」
大晴に確信を持ったように言われて、

「それやったらええけど」
と口では言いながらも、なんとなく可愛く思えてきて頬が緩む。



「おれがかぜひいたときもまっさんやさしかったしな」
小さい大晴がそう言ってニコニコしているのを見ると、
こちらも可愛い。





















夜中、急に熱が上がってしまった幼い小島は、
体の節々の痛みで目が覚めた。

「…いたい…っ」
布団の上で堪えていても、

寝返りを打っても、

痛すぎて涙がポロポロこぼれてくる。


グズっグズっと、泣いたせいで出てくる鼻水をすすって、

布団の上で丸くなる。








そうして体の痛みに堪えていると、





「ん…?どうしたん…??」
と隣のベッドで眠っていたはずの正門が起きた。



眠そうに体を起こして、
間接照明を点けると、

「泣いてるん…?」
と驚いて小島の布団の横に座った。
「どうしたん?」

小島は幼い泣き顔で見上げて
「いたい……ねられへん…っ…」
と小さな声で言った。

「熱上がったか?」
大きな手を目元まで隠して額に当てられて、
「たぶん熱上がってるな」
と正門に心配そうに言われる。

「んぅ…っ」

「我慢してたん?そういうときは起こしてええねんで、何のためにこんな近くにいるん」
少し呆れ、だいぶ心配しながら言って、
「熱計るで」
と、小っちゃな小島を膝の上に抱っこして、体温計を挟んだ。

「おなかもいたい…っ」

「お腹痛いな、しんどいな」

体温計を取り出すと38℃を余裕で超えていて、




「ちょっとお腹見せて」
と正門は、子供の小島のパジャマのズボンを下ろそうとする。




「なんっ…?」
急に戸惑った小島は、
「ざやく…っ?ざやくいれようとしとるやろっ…??」
と慌ててお尻を隠そうとする。





正門は小島が高熱が出ることも予想通りで、
保冷剤に既に坐薬は乗せて部屋の中に置いてあったが、




「いや、ちゃうって」
正門は否定するが、

「ごまかしかたへたくそやねんっ…っ…ぜったいざやくはイヤやぁぁっ」
と小島は幼く余計に泣いて逃げようとする。

「ええから、ちょっとお尻見せてみ?」

「いややっっっ!!ぜったいっイヤっっ」
泣きながら布団の上に逃げたところを、

スルリと簡単にズボンもパンツも脱がされて、足から外されてしまった。

「なんでっ…イヤやぁっっ」
布団の上で横向きに丸まっていると、

「イヤなんはわかってるけど、我慢してや」
と、坐薬を袋から取り出した正門が、

ちょうど良いとばかりに横向きに突き出された小さな小さなお尻を
左手で押さえていきなり坐薬を押し込んだ。



「あ……っっっ!!!」
まさかいきなり、足なんかを押さえつけられもせずに、
坐薬を押し込まれるなんて思ってもいなかった小島は、
あまりの衝撃に涙を瞳いっぱいに溢れさせて一瞬、声が出なかった。
でも次の瞬間、
「いたいぃぃぃぃぃぃぃっっうわぁぁぁぁぁぁぁんっっ」
と大泣き。


大泣きしている間に、テキパキとパンツもズボンも穿かされ、
「終わったで。もう泣くな」
と膝の上に抱っこされた。



「い゛たかったぁぁぁっっ…っ…っ…なんでっ?…なんでなんっっ…?ざやくイヤやって言うたのにぃぃぃっっ」
拗ねて怒りまじりに、
小さな手でポカポカと正門の胸を叩いて泣いている。




正門はそんなことをされても、
仕方ないという顔をして、
「坐薬は一番嫌やねんな?嫌やったのによう我慢したな」
と宥めるように頭を撫でて、小さな背中をさする。


「がまんしてへんっ…まっさんがむりやりいれたぁっっ」
泣きながら怒る幼い小島に、

「そうやな、ごめんな」
と付き合って、お腹に手をあててあげながら、
左手で抱き寄せて小さな背中を宥めるように優しくとん、とん、…とたたく。

「もういややぁ…ッ」
勢いは収まりつつも、ペタン、と寄りかかって拗ねて泣いている。

「そうやな、お腹も痛いし体も痛いし、嫌いな坐薬挿れなアカンし、しんどいな」

「…っぅ〜…っ」
勝手に泣き喚いて勝手に怒って勝手に拗ねて泣いて、

「これ飲める?」
と正門が出してきたストローのついた飲み物を、

何も言わずに飲んで、






しばらく抱っこされて背中をとん、とん、としてもらっていると、
いつの間にか寝てしまう幼い小島。


















朝になったら、まだ寝ている小島を抱っこして、
正門がタクシーに乗って病院に連れて行った。


病院に着いた瞬間に目覚めた小島は、

「いややぁぁっっもうかえるぅぅぅぅぅっっっ」
と、ぎゃぁぁっと泣いて大騒ぎ。
「びょーいんはイヤやぁぁっっ」

「わかってるて。」

「ちゅーしゃこわいぃぃぃっっ」

「今日はたぶん注射されへんて」

「でもイヤやぁぁぁぁっっうわぁぁぁぁんっっ」

「ちょっと、落ち着いて。大丈夫やから」
正門は、ギャーギャー泣く小島を抱っこして、
うろうろして周りに謝りながらあやして、
「大丈夫やからもう泣かんといて?熱上がんで?な?泣くとしんどいやろ?」
と優しく宥めながら



なんとか診察を終えて家に帰った。























子供の大晴が、
テーブルで昨日の夕飯の残りのグラタンを食べていると、



無理やり連れて行かれた病院から帰ってきた泣きすぎて目が真っ赤の小さい小島が椅子の横に寄ってきた。

「たいせー、おれにもすこしくれへん?」
小さな声でこそこそとそう言って横から見上げて、
袖を引っ張っている。
ダメだと言われても、食欲が出てくると食べたくなってしまうものだ。

「ええよ〜。もうこんなんたべてええの?おなかいたいんなおったん?」
幼い口調で大晴が言うと、

小島が幼い声で「シーッ」と口の前に人差し指を持ってきて言う。






少し離れたところにいた正門が可哀想に思いながらも
「まだ食べれへんよ、少しずつて病院で言われたやん」
と言った。






それを聞くと小島は、
「でも、はらへってん。。。おれもなんかたべたいーっ」
と言っている。

「おなかすくぐらいげんきなったんやったらよかったやん」
大晴はそう言い、

「ゼリーとかプリンとかあんで」
正門がそう言って、
「どれがええか見る?」
と小さな背中に手を当てて小島を連れて行こうとした。


でも、小島は正門の手を振り払って
「そんなんでおなかいっぱいならへんやんっ!
おれもたべたいーっ」
とテーブルの上に手を伸ばして、
グラタンのマカロニだけ手で取って一瞬のうちに口に入れた。
わがまま放題なのも具合が悪い延長で、しょうがない。


「わかってるって、食べたいやんな?」
正門は、そんな小島を優しく抱っこして、
手をタオルで拭いてやった。


「たべたい…っ…もっとたべたいー…っ」
言いながら泣き出してしまった。


「わかるで、食べたいよな?でも今日は消化にええもんから少しずつな?」

「うぇぇぇぇぇぇん…」

可哀想やし元気そうやから食べさせたい…
でも、あんま油っこいもんとか固形物いきなり食わしたら治るの遅なるて言われたし…

と困りながら正門が、
幼く泣いている小島の涙を拭いてあげている。


「ごめんな、おれがたべてたからやんな」
子供の大晴が申し訳なさそうに近くに来て、
小島の顔を覗き込んでいる。

「たまたま帰ってきたら大晴が食べてただけやんな?
大晴がアカンわけちゃうやんな?」
正門がそう言うと、

小島が頷くも、
「…っでもおれもたべたいー…っ」
とまだ泣いている。









まだ回復期でお腹が減って泣いている可哀想な小島に
正門がおろおろしていると、








子供になっている誠也が、
冷蔵庫の前に踏み台を置いてよじ登って、

冷蔵庫を開けた。
「あ!プリンいっぱいある〜」
と言っている。
「おれもたべてええの??」

大人の晶哉が「それたぶん小島くんのやけど…」
と苦笑いしながら
「1個だけならええんやない?」
と子供の誠也に言った。

「やった!」

誠也がそれを持って、
テーブルの子供用の椅子に座って食べ始めると、

小島が泣き止みながらそれを見て、
とても美味しそうに見えて、
「…おれもたべる…っ…」
と言った。


意外なきっかけに喜んだ正門が
「食べるやんな?一緒に取り行こ」
と冷蔵庫にプリンを取りに行った。


誠也の斜め向かい側に、
正門が膝の上に小島を抱っこして座ると、


口の周りに付けながら美味しそうに食べる小さい誠也を見て
さっきまで泣いていた小島もすっかり泣き止んで食べ始めた。


「これおいしいやんなぁ?」

「んぅ…おいしい…」


子供の誠也に言われて素直に頷く小島を見て、

子供の誠也くんおってよかったぁ
と心の中で思う。






















その日も1日、正門は小島に付きっきりで、

寂しかった大晴は、部屋から出てきた正門に、
「おなかいたい…」
と嘘をついてみた。お腹が痛いこじけんがかまってもらえるなら、自分も、と。

「えっ!?たいせーもなん?」
驚きながら心配そうに正門が近づく。
「大丈夫か?痛いんはお腹だけなん?気持ち悪いとかない?」

「んぅ…」
大晴は声が小さくなる。

小島も具合悪いから、幼いながらに大晴が気を遣っているのではと正門は心配して、
「ホンマに?無理してへん?我慢せんでええねんで?」
優しく問いかける。

「んぅ…」

「元気ないな。大丈夫か?熱は?」
正門の大きな手が額にあてられる。
「今はなさそうやな…」
心配そうにひとりでおろおろして、何か考えているのがわかる。

「やっぱ…だいじょーぶ…」
嘘なのに実際にこんなに心配されると、
幼い大晴は急に不安になって、すぐにそう言った。


「我慢せんと、早いとこ病院行こ?
何でもなかったらそれでええんやから」
正門は、そろそろ病院の受付も終わるし…
と焦りながら、
「晶哉〜?ちょっと、小島起きたらみててくれへん?
大晴もお腹痛い言うてるから、病院連れてく」
と晶哉に呼びかけている。

幼い誠也に手を引っ張られながら晶哉が返事をする。
「わかりましたー」

小さい大晴は、そのことに余計に焦って、
「ホンマにもうだいじょーぶやからっ」
と正門の手を大晴は小さな両手で掴んで引っ張った。
「おなかいたいん、なおった」
そう言うと、


正門はしゃがんで小さい大晴に目線を合わせて、
「病院行くん、嫌なん?」
と優しく聞いてきた。


病院に行くのが嫌で“治った”と噓をついていると思われてはたまらない。
「ちがうっ…ほんまにいたない」

「それやったら、今日は病院行かんと様子みるか?」
焦って病院に連れて行こうとしたけど
急がなくてもいいか、と思い直した様子の正門。

「あのな、えっとな、ちがうねん、……」
大晴が幼い言葉を必死に繋ぐ。






そこへ、ちょうど目を覚ましたらしい幼い小島が、
部屋のドアを開けて、隙間からこちらを覗いたのが見えた。







正門が小島のほうを見て、「たいせーもお腹痛い言うてるから、ちょっと待っとって」と声をかけた。


「ちがう、まっさん、おれ、おなかいたないから、こじけんとこいってあげて…っ?」
余計に焦る大晴。
小島は本当に具合が悪いのに、来てほしいからドアを少し開けて呼びに来たはずの小島に
我慢させるのは本当に申し訳なくなって。


「ひとりでそんな我慢せんでええんよ?」
正門に優しくそう言われて、

余計に罪悪感が込み上げてきて、大晴は堪えきれずに泣き出した。
「…っちがう…っごめんなさい…」
優しくされてボロボロ涙がこぼれてくる。
「おなかいたいんは…っうそ…っで…っ」

「そんな泣かんでもええよ?」
正門はまだ疑っていない。

「ほんまにっ…いたないけど…っうそついてん…っ…こじけんばっか…っずるいおもてっ…っごめんなさいっ…」
ひっくひっくしゃくり上げて泣きじゃくる大晴に、

ようやく正門が
「え?ホンマに?」
と戸惑う。

「ホンマはおなか…っいたない…っ…」

「どっち?どっちなん??」
気を遣っていたり病院に行くのが嫌なだけなのか、
本当に最初から噓なのか、すぐにはわからないので戸惑う。

「ホンマはいたないっ…っ…」

「そうなん?気ぃ遣ってへん?」
正門がもう一度尋ねると、

幼い大晴が首を横に振って
「…っごめんなさいぃ…っ」
と泣きじゃくっている。



正門が、泣きじゃくる大晴と、
まだドアのところで待っている小島を
交互に見て、少し慌てたあと、
「たいせー、ちょっとだけ待っててな?」
と声をかけて、


小島のところに行った。
「どうしたん?」
正門が目線を合わせて尋ねると、

「はらへった…」
と小島は小さい声で言った。

「腹減ったんやな、、、えーと…」
一気にいろんなことが起きて頭が働かなくなっていると、



晶哉が、「お腹すいたなら、ご飯食べましょー」
と幼い小島を誘ってくれている。
「おかゆありますよー」

小島は
「またおかゆか」
と文句を言いながらも、

小さい大晴が泣いているのが見えるから、

仕方なく晶哉に付いて行く。









「たいせー、そんな泣かんといて?」
正門が戻ってきて、
小さい大晴の背中に優しく手をあてた。
「たいせーの部屋入ってもええ?」


泣きじゃくりながら頷く大晴を抱っこして、
落ち着かせようと部屋に連れて行く。






机の椅子を引き出して、
とても小さい大晴を向かい合わせに抱っこして座った。

「お腹痛いのんは、ホンマに噓?」

「んぅ…っ…ひっく…ひっく…」
手の甲で涙を拭いながら大晴が頷く。

「どこも痛ない?」

本気で心配されて、罪悪感であとからあとから涙が出てくる。
「んぅっ…うそついてごめっ…っなさいぃ…っ」

「寂しかってんな?ごめんな、たいせーのこと放っとき過ぎたわ」
言いながら正門は小さい大晴の頭をぽんぽん撫でた。
幼いながらに状況をよく見て、小島のことも心配していて、
大人しくしてくれていたからといって、

幼児の大晴に今日はかまわな過ぎた。
お腹が痛いと急に言われてもそれまでどんな様子だったか
ちゃんと見ていなかったのでわからなかったほどに。

「んぅ…っ……っ」
大晴は小さな声で頷くと、
ぎゅっと自分から抱きついてきて泣いている。
噓をついてみたら正門が想像以上に心配してくれて、
優しくされて涙が止まらなくなる。

「でもどこも痛ないときに“お腹痛い”はもうやめてな?心配するやん」

「んぅ…っ…ごめっ…なさいっ…」
優しく両腕でぎゅっと抱き寄せられて、
背中を大きな手でゆっくりとさすってもらえて、
求めていた温もりにようやく体中の力が抜ける。


この小っちゃい大晴が甘えてきて
ぎゅっと引っ付いてくるのがたまらなく愛おしく思える。
膝の上にちょこんと収まっているのは、
小っちゃい小っちゃい幼い大晴で、
今日1日どんなに我慢して頑張っても
甘えたい気持ちのほうが勝ってそれをやっと出してきたのが
可愛くてしょうがない。


「我慢させてごめんな」
優しい声で言われて、

「んぅ…」
小さく頷いた大晴は、
もう安心して大きな手の中に身を委ねていた。




















それから数時間後、

「せーやくんっ!?そんなんしたらアカンっっ」
晶哉の焦った声が聞こえて、


正門がそちらを見ると、


誠也と大晴の幼い2人が、
壁のコンセントの差込口の前に座っていて、
どこから持って来たのか短い紐を誠也が
コンセントの差込口に詰めようとしていた。


そこに飛んでいった晶哉が、
「感電するて……っ!」
と危機一髪な状況に、誠也の小さい手を掴んでやめさせて、真っ青になっている。
「…ビリビリなったら大変でしょ?絶対やったアカン。ここは触らんといて?たいせーくんも。」
晶哉はなんとか落ち着き直して、
そう簡単な言葉に言い換える。まさか、こんな悪戯をされるなんて想像していなくて。


「うん」「わかったぁ」


幼い2人が頷いたのを確認して、
晶哉はコンセントの差込口の前に、ダンボールの空箱を置いて、隠した。













しかし数分後、
シャワーを浴びてきた正門がタオルで頭を拭きながら戻ってくると、

幼い2人がダンボール箱を避けて、

今度は、誠也も大晴も、2人で指の爪をコンセントの差込口に入れてみようとしている。



「せーやくんったいせーっ!何してんねんっ」
正門は慌てて、2人のところに駆け寄ってしゃがんだ。
驚いて振り返ったふたりの小さな手を、右手と左手でそれぞれ掴んで
「やめなさいっ」
と止めた。大人から見たらどう考えても危ないのに、
全く判断がついていなくて楽しそうだった二人。


正門に怒られて、
「ちょっとやってみただけやん…」
幼い誠也が不貞腐れている。

「やってみただけで済まへんねんって…!」
その判断能力も子供化してしまっていることに正門は頭を抱える。
“感電する”とか何か説明しても伝わらない。
「さっき晶哉に言われたでしょ!?二人とも。
ビリビリなったら大変やから触らんといてって、言われたやんな?」

「びりびりなってもいたいだけやろ?」

「そういうビリビリちゃうの!」
叱りながら伝わらなさがもどかしい。



そこへトイレから晶哉が戻ってきたので、
正門が振り返って困った顔で
「また二人でコンセントの穴に悪戯しててん」
と伝える。



「またやったん!?」
晶哉も驚いて
「やったアカンて言うたやんな!?」
と二人の顔を見る。

幼い大晴が「…びりびりなったらおもろそうやってんもん…」
と不満そうに晶哉の顔を見る。

「アカンって!おもろないからっ!絶対やったアカンっ!」
晶哉が血相を変えてそう言う。

正門が落ち着いた声で
「2人ともお尻ぺんぺんやな。」
と言うと、


幼い2人は慌てて立ち上がって
「なんでなん!?」「ちょっとやってみただけやんっ」「なんでおしりぺんぺん!?」
「いやや!おしりぺんぺんいやっっ」


と慌てふためいている。



「やったアカンて言われたのにまたやったやろ」
正門に言われるのとほぼ同時に、


小さい誠也は晶哉に抱え上げられて連れて行かれた。
晶哉に叱られるとわかった幼い誠也が
「さのぉっもうせえへんからぁぁっっさのぉぉっっさのぉぉぉっっ」
半泣きで訴えても、
小脇に抱えられたままスルリと簡単にズボンもパンツも下ろされて
「お尻ぺんぺんせな危ないてわからへんのでしょ?」
と言われて、

パァンッッ!!

といきなりお尻に強烈な痛みが降ってくる。

「いたぁぁぁぁいっっっ」
ビクンッと体を跳ねさせて
「うわぁぁぁぁんっっ」
と泣き出したところを、


椅子に座った晶哉の膝の上にうつ伏せに乗せられた。


「あんなん、やったら絶対アカン。」
と珍しく晶哉の怒った声で言われて、

その言葉とほぼ同時に、

パァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッ…

と小さなお尻を包み込むように連打される。
痛みが引く前に大きな手に強烈な痛みを重ねられて、

「っっっ!!いやぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁっっいたいっ…うわぁぁぁぁぁぁぁんっっ」

誠也は小さな足をバタバタバタバタッと暴れさせて
堪えきれない。
小さな右手を痛いお尻に伸ばして、
「っっごめんなさいぃぃぃ…っっ…わぁぁぁぁぁんっ」
と大泣きだ。

その小さな手を、晶哉の左手が掴んで小さな背中の上に押さえた。
その行為がまだお尻ぺんぺんするよ、という予告になって
「やめっっ…ごめんなさいっっもうせえへんからっ…うわぁぁぁぁんっもうゆるしてやぁぁっ」
お尻の痛さにビビッた誠也が泣きながら許しを請う。


今度は、晶哉の大きな手が、ゆっくりと、
小さなお尻の下部のとても痛いところを叩いた。


パンッ
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!」
誠也は仰け反って甲高い泣き声を上げた。

パンッ
「いたいぃぃぃぃっっ」

パンッ
「ッッいややァァァァァァ!!」

パンッ
「もっ…ゆるしてやぁぁぁぁっっうわぁぁぁぁぁぁぁんっっ」

パンッ
「いやっっ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁっっ」


あまりに痛くて、
わんわん泣きながら、いややいややと首を横にぶんぶん振って精一杯意思表示するが、
大きな手がまだ、

パンッ

と一番痛いところを叩く。叩いたあとに手をお尻の上に留められて、
ジンっと痛みが響く。

「っっっ!!ごめ゛んな゛さい゛ぃぃぃぃぃぃっっ」

パンッ
「ごめ゛んな゛さい゛っ……いたいぃぃぃぃぃぃっっ」

とても堪えきれない痛さに足を目一杯バタつかせて
身を捩っても、大きな手からはちっとも逃げられない。
目から大粒の涙をこぼして
「ごめ゛んな゛さい゛ぃぃぃっっ」
と喚く誠也に、

晶哉が手を止めて小さなお尻に手を乗せたまま、
「ホンマにやったアカンから、
アカンて言うたのわかる?」
と子供に対する口調で言う。

小さなお尻をとてもとても痛くされた誠也は、
ボロボロ泣きながら
うんうん頷いている。

「俺がトイレ行ったん見計らっていたずらし始めたんは誠也くん?」

「んぅ…っ…」
泣きじゃくりながら頷く。

それを聞いてため息をついた晶哉が、
もう1発、パンッと小さなお尻を叩いた。
「っっい゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁっっ」
油断していたお尻の下の方に強烈な痛みが来て、
誠也は掴まれていた手を振りほどいて小さな手をお尻に伸ばした。
それぐらい痛い。

「アカンて。やったアカンのわかっててやらんといて。ホンマに危ないから」

「も…っわかったぁぁぁっっ…ごめっ…なさいぃぃっっ…」
泣きじゃくりながら幼い声で誠也が言う。

「ホンマにもうわかったん?もう絶対やったアカンよ?」

「んぅっっ…もう…っぜったいっっせえへんっ…からぁぁ…っっおしりぺんぺっ…っもうっおわりにっしてやぁぁぁっっ」
誠也は泣きじゃくりながら必死に言う。

「そんぐらい痛かった?」

「いたいぃぃ…っほんまにおしりっいたいぃ…っ」
身体を捻って、一番痛くされたお尻の下部に小さな手を伸ばして、
斜めに晶哉の顔を見上げて訴える。

「もう絶対やったアカンよ?」
目を見て言った晶哉の大きな手が、
小さな手で庇っていないお尻の真ん中に、パンッ!と下ろされる。

「あぁぁぁぁぁぁぁんっっごめんなさいぃぃぃっもうぜった…っせえへん〜っっっ…うわぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!」


大泣きしていると、膝の上に抱っこしてもらえて、
足も折り畳んでペタン、と晶哉の膝の上に収まっている誠也が、

「うわぁぁぁぁんっっ」

と大泣きで抱きついて、
背中にまわった小さな両手でしがみついて胸に顔を埋めて泣いている。



そっと大きな手で小さな背中を撫でると、
「さのぉぉぉ…っ…ごめんなさいぃぃ…っ」
と胸にこもった声が聞こえる。

もうこうなるとただの甘えん坊の子供の“せーちゃん”で。
「せーちゃん、ホンマに危ないことせんといて?」
優しい声が、胸を通して響いてきて、
小さな体中に優しく響く。

「…っっもうせえへん…っっ」
と心から反省した幼い声が聞こえた。


判断力もだいぶ子供になってしまっていて、
甘えるときにぎゅっとしがみついてくるところも、
小さな身体も、泣きじゃくる背中も、
本当に子供そのもので。


泣きじゃくって揺れる小さな背中が落ち着くまで、
大きな手が優しくさすっていた。
「…っ……っ…」

「大丈夫、もう怒ってへんから」

「んぅ……」
安心して身を預けてくる小さなその姿がとても可愛い。
結構なことをやらかしてくれるけど間一髪でなんとかなっていて、それはそれで。




















一方、こちらの二人は…
「たいせー?これはホンマにやったアカンよ?」
正門が大晴の両手を握って目を見て言ったあと、

正座した膝の上に、小さな大晴をうつ伏せに乗せた。


ゆっくりとパジャマのズボンとパンツを下ろされながら、
幼い大晴は「ちがう…っせーやくんがやろっていうてんっっ」
と必死に言い訳する。


本当にやったらダメなことは、しっかり教えておかないと命に関わる。
「誠也くんに一緒にやろって言われてもこれは絶対やったアカン」

スーッと股の間を冷たい空気が抜ける感じがしたあと、

パンッ!

と大きな手にお尻の下の方を叩かれた。


「っっっ!!いたいぃぃぃぃっっっっ」
大晴はあまりの痛さに驚いて、
小さな手をお尻に乗せて庇った。
「あぁぁぁぁぁぁぁんっっごめんなさいっもうせえへんからぁぁっ」
泣きながら振り返って正門の顔を見る。

厳しい顔を作って
「もうせえへんのは当たり前や。絶対にやったアカン。いっぺん晶哉に言われてんからそのとき聞きなさい。」
と言われて、小さな手を避けられて、

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!…
と素早くお尻の下部の一番痛いところを連打されて、

「っっっいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!っっいたぁぁぁぁっっっ…うわぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!」

と顔を真っ赤にして大泣きで喚いて、
足を蹴り上げて暴れる。
それをものともせず大きな手がお尻を続けて叩くので、
大晴はぎゃぁぎゃぁ泣いて堪えきれない痛みに悶えて小さな身体を捩った。

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!…
「いややっっいやぁぁぁぁぁぁっっまっさん…っもう…っもうせえへんからぁぁぁぁぁっっごめんなさいぃぃぃぃぃっっ」

「ホンマにもうせえへん?」

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!…
「もうっせえへん〜っっやくそくっするからぁぁぁっっうわぁぁぁぁぁぁぁんっっ」

想像もつかなかったお尻の痛みを与えられて
大晴はわんわん泣いている。

「絶対もうやったアカンよ?」
やっと手を止めてもらえる。

「んぅっ……っ…ひっく…ひっく…ごめんなさいっっ…」

とても痛かったお尻を優しくしまわれて、
そっと膝の上から起こされる。


大晴は、泣きじゃくって手の甲で涙を拭いながら、
目の前で座っている正門の顔を見て言う。
「…っなんでおれにはおこるん…っ…?」

「え…?」

「こじけんにはずっとやさしいやん…っ」

「なんで??寂しかったん?」

「…ちがう…っ…」
厳しくお尻を叩かれて、拗ねてしまって、
否定しかできない。

「たいせーだけ怒ることないて。
誰でも危ないアカンことしたら怒るよ?こじけんがやっても。
せーやくんやってあっちで晶哉にお尻ぺんぺんされてたやろ?」
お尻ぺんぺんにしては、ことがことだけに向こうも随分厳しくされてたんやないかと
声だけ聞こえると思う。

「んぅ…っっ…」
まだ拗ねた顔の幼い大晴を、
正門は膝の上に抱っこして、ぎゅっと抱きしめた。

「こんなに可愛いのに甘え下手やねんな。
拗ねてへんと、だっこしてとかこっち来てって言うてもええんよ?子供やねんから」
低く優しい声が体を通して響いてきて、

「んぅ…」
今度は素直に頷いて、温かい腕に包まれた。
「おしりぺんぺんめっちゃいたかったぁぁ…っ…」
小さな声で文句を言っている。

「今日はめっちゃ痛したからな」

「おしり腫れてへん?」

正門が笑って言った。
「腫れてへんて。もう痛ないやろ?こんな小っちゃい大晴にそんなんできるか」

「ほんまに?めっちゃいたかってん」
大晴は泣き止みながら、顔を上げて唇を尖らせて言う。

「見てみる?」
ペロン、と簡単にお尻を出されて見せられて、
全然赤くもなっていない自分のお尻を見せられて、

「うそや…なんでこんな魔法みたいにいたかったん…?」
不思議そうにしている大晴のお尻をしまって、

「絶対やったアカンことしたからや」
と正門は優しい声で言い聞かせる。

「…まっさん、おしりぺんぺんときおにやった…」
幼い声で言って大晴がもう一度、
ぺたん、と正門の胸に寄りかかる。

「鬼にならんでええようにしといて?」

「んぅ…」
背中を優しく撫でられて、安心感で
うとうとと寝そうになる大晴。
その幼い姿も見慣れてきてしまって、
もはや“可愛い”という気持ちが強くなる。




















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おまけ
元に戻ってる小島と晶哉のラジオ(架空)

小島「先週、大晴と話してたんよ、子供菌のせいで子供なるときメンバーみんな「だいたい3歳ぐらい」て病院で言われたやん?」

晶哉「はいはい」

小島「子供なってるとき怒られるん誰が怖いとか、お尻ぺんぺんするとき正門がオニ門になるとか」

晶哉「そんなことまで話したん?(笑)
せやから”そんなことまで?”ってことまでメールたくさん来てるんや」

小島「他のメンバーから見て怒ったら怖いんは誰?って来てますけど」

晶哉「先週は?」

小島「俺も大晴も、まっさん。怒らしたら鬼やって」

晶哉「正門くんのことそんなん言うたらアカンて。優しいでしょ」

小島「それやったら晶哉は子供なってるとき誰に怒られたない?」

晶哉「……正門くんです。(きっぱり)」

小島「ほらほらほら。やっぱり」

晶哉「この前、正門くんから初めてお尻ぺんぺんされてたまに鬼なるの意味わかりました。」

小島「晶哉。めっちゃ笑われてんで」

晶哉「そもそも、あんときなんでメンバー誰も助けてくれへんかったん?(笑)」

小島「助けるとかちゃうやん」

晶哉「あんな泣いてたら助けてや(笑)」

小島「傍から見たら全然軽いねん。子供の晶哉が勝手にギャーギャー泣いてただけ」

晶哉「嘘でしょ!?俺んときもですか!?」

小島「そうやって。そんなもんなんやって」

晶哉「そんなもんなんですね」

小島「あ、でも、鬼や言うたけど、まっさんホンマ優しいねん、この前、俺が子供なったとき胃腸炎なって、ゲエゲエ吐いてるときもずっと優しいし、
病院行きたないってギャーギャー泣いても優しいし、治りかけで俺が飯食いたいってずっと駄々こねても優しいし、ホンマに優しい。」

晶哉「鬼やなかった(笑)」

小島「基本、鬼やない。ホンマに優しい。もし俺が子供の俺みてたら途中で誰かに押し付けるわ」

晶哉「そんなこと言うて、小島くんも面倒見いい優しいお兄ちゃんですけどね、他のメンバーが子供なってるとき」

小島「いや、もうまっさんには勝たれへん。俺みたいな子供面倒くさいもん」

晶哉「別に勝ちにいかんでええ」

小島「けどな、子供なってから、まっさんに3回も坐薬挿れられてん、俺」

晶哉「3回!?」

小島「1回目は最初風邪引いたときで、あと2回はこの前、吐き気止めと、夜中に熱上がってひーひー泣いてたとき」

晶哉「あ、それで夜中騒がしかったんや。子供の小島くん、めっちゃ坐薬嫌がりません?」

小島「嫌やない人おる?絶対嫌や」

晶哉「嫌ですけど、子供のけんちゃんは嫌がり方尋常やない」

小島「それで子供やから嫌がって好き放題泣いて暴れてんのに、まっさん面倒くさがらんとちゃんとやってくれて、もう俺頭上がらへん、3回もやで?」

晶哉「俺1回もない(ドヤ)」

小島「そんなん勝ち誇んなや」

晶哉「ないほうがええ」

小島「熱上がったときどうしてたん?」

晶哉「夜中、誠也くんに抱っこされて何回も泣いてた」

小島「しんど」


小島「あと、誰が一番やんちゃかって、それもまっさんやってんけど、誠也くんもやんな」

晶哉「子供のせーちゃんは可愛い」

小島「俺の言うこと全然聞かへんけどな」

晶哉「そこも含めて可愛い。やることホンマに子供。」




翌週
架空ラジオ収録回OP
正門「まだブースざわざわしてますね」

晶哉「せーちゃんがやってくれましたからね」

正門「ここは子供連れてきたらアカンな」

晶哉「推定3歳のせーちゃん」

正門「何があったかご説明しますと、収録回ということで、先週のヤンタンのあとに録ってるんですけど、今日は大晴と誠也くん子供やから、俺が家でみてて、置いてくるわけいかへんのでさっき小島と交代するために2人連れてきたんです。」

晶哉「そしたらせーちゃんがね」

正門「僕とこじけん入れ替わるっていうただそれだけの時間やったのにせーちゃんがブース入ってちょっとオイタしてくれたので(笑)」

晶哉「いや、ちょっとやなかった!「ちょっとやない!」ってみんな言うてる」

正門「ちょっとやなかったね。ホンマに」

晶哉「子供やなかったら許されてへん(笑)」

正門「子供やなかったらやらへんて(笑)」

晶哉「それで無事、せーちゃんは正門くんからお尻ぺんぺんされて、」

正門「それ言うてええの?」

晶哉「もうガンガン言うてます」

正門「ホンマか(笑)」

晶哉「ブースのスタッフさんたちの反応がリアル過ぎた!誠也くんに悪戯されて復旧めっちゃ大変なことなってるから、「お尻ぺんぺんぐらいされとき」いう雰囲気なってた(笑)」

正門「あの短時間で悪戯してお尻ぺんぺんされてわー泣いて帰ってくって相当やで」

晶哉「子供はもう寝てる時間やからね」

正門「ハイなってたのかもしれへんね」

晶哉「小島くんは、子供なってるとき正門くんに3回も坐薬挿れてもろてもう頭上がらへんて言うてましたけど」

正門「そんな話までしたん?こじけんどこまで話すん?(笑)」

晶哉「(笑)」

正門「その前に、待って、俺さっきこじけんに去り際に「オニ門やな」言われてんけど、頭上がらへん人の言うことですか?」

晶哉「もうめちゃくちゃや(笑)」






SNS
“正門パパと結婚したい人生だった”

“坐薬3回もとかこじけんどんだけ体弱いん?w 大事にして?”

“小島の言うこと聞くおりこう晶哉ちゃんが正門パパの言うこと聞かないでお尻ぺんぺんされたことあるの可愛すぎて”

“晶哉ちゃんに可愛がられるせーちゃん(リアル3歳)、誠也くんに抱っこされるお熱の晶哉ちゃん(3歳)、さのすえ尊い”

“せーちゃん「クソガキ」説と可愛い説に両極端過ぎて草生えた”






“てか、収録の前にせーちゃん何したん?笑 スタッフに「お尻ぺんぺんぐらいされとけ」思われる悪行て何?笑”

“せーちゃん(3歳)の悪戯を「オイタ」って言う正門くん好き”

“子供のせーちゃんだけ写らんようにしたオニ門の写真あげられててw パパの顔しとるw”

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