~ 過 去 ~
家族構成は父、母、それに私の3人家族。
父は大手企業の社長
母は有名歌手
私は小さい頃から好奇心旺盛で哲学者が読むであろう難しい本を3歳の頃から読んでいた。
父の家系の方が陰陽師さんが多いから私も霊感がある。
そんな幸せも束の間。
私が7歳…?ぐらいの頃かな。
ある日、父と母の左眼に紅く染った華が咲いていた。
嫌な予感しかしなかった。
我儘を今まで1つも言ったことがない私が「ダメ」という言葉を発したからか。2人とも驚いていた。
ここで引き止めなかった私が馬鹿だった。
その後、出掛けた両親は
交通事故に巻き込まれて
死んだ_________________
お葬式の日。周りの人皆泣いてる中私だけ泣いていなかった。
私は孤独でも生きるの。
お母さんが言ってた。
それはお母さんが経験してるからだよね?
いつか凄い人になれる。
私は凄い人が目的で強くなるんじゃない。
皆と違うものを持っている私だからこそ、強くならなきゃいけないんだ。
そんな正義感が働いているだけ。
ピピッ
朝から目覚まし時計。
滑稽な夢を見てたみたい。
あの時神様は居ると思ってたけど
あんなの私の幻想に過ぎない。
孤独でも生きてるけど
心に空いた穴は塞がらないまま
何かが足りない。
自分でもわからない。
そんな謎に包まれながらでも
私は今を生きている。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!