愛莉side
知ってるよ。
お兄さんに憧れてたことも、
今は憎くて仕方ないことも全部知ってるよ。
凛くんのこと見てたもん。
追いかけてきたもん。
パタパタパタ…
この足音、きっとあなた先輩だろうな。
チュ
触れるだけの少し長いキス。
さああなた先輩、ここからが勝負だよ。
あなたside
凛と…愛莉ちゃんがキス…して…
なんで…ッ、なんで……
でも…ってなに?
でもの続きはなに?
凛もしたがったとか言うの…?
どういうこと…?
頭が、整理が追いつかない…。
見られたまずいってこと…?
愛莉ちゃんのこと好きなの…?
なんで…待ってるって言ってたじゃん。
どうして…
パタパタパタ…
凛が私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
でも無視した。
私達って想像以上にあっけない関係
だったのかな…
もしかして付き合ったのも
冴えの嫌がらせとか…?
違う!凛はそんな人間じゃないって
私が一番知ってるでしょ!!
…でも愛莉ちゃんとキスしてた。
なんで……、
信じたくない、嫌だ。
怖い、辛い、やだ、嫌だ…
ポフッ
冴から顔に投げられた一枚のタオル。
私の泣き顔を隠すように。
ふざけないでよ捨てた癖に。
もし凛も私を捨てたのだとしたら…?
ああ私、どうしようもない程凛が好きなんだ。
♡&☆please✨
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。