本当に、神様は不平等だ
視界がグラッと傾いたと思ったら、意識が一瞬飛びそうになる。頬にモロに食らった
痛い。今にも泣き出したいくらい。赤子のように泣き叫びたい
けれど、許してくれる人なんかいない。俺が泣いていいわけがない。だって、だって俺は────────
その一言にヒーローたちは困惑の色を示した
その隙に間髪いれず腹部を目掛けて殴る
やられっぱなしで終わるわけないだろう
何故か気分がどんどんと高揚する。自分じゃないみたいだ
ヒーローは血反吐を吐きながら必死に抵抗する。流石と言うべきか、こんなに攻撃を受けたとしても
その目は霞むことなく輝いていた
穢れているのだろうか
マナがこちらを向く。ああそうだった。俺の幼馴染みはヒーローだった。みんなが憧れる、正義のヒーロー
だからさ、俺のために消えてよ。マナがいると、どうしても思い出しちゃうから
アイツらのあの顔を、脳裏に焼き付いて離れないあの顔を
そう思ったとき、後ろから聞き覚えのある声がした
そう訊ねるとコクッと頷く
すると、安心したのか、はたまた限界が来たのか、視界が先程とは比べ物にならないくらいグチャグチャし始めた
体がふらつくと、セラフはしっかり掴み、俺の体を支えた
ふと空を見ると、いつの間にか日が沈みかけ、月が昇りそうだった
そう言うセラフの目は、何処か暗くてけれど光はちゃんとあって
どこか澱んでいた
「 俺疲れた~ 」と言うセラフを背に俺は足を進める
ヒーローは聞く
そう聞くマナの目は、心なしか俺の方を見ていた
まるで俺を分かっているかのように













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!