眠い目をこすりながら体を起こすと 、いつもみたいに喧嘩をするふたり 。
ぐだ 、と体を伸ばした総悟が布団の中に戻ってくる 。
腰を引かれて気づけば総悟の腕の中にいた 。
キレる土方さんの怒号を聞き流しながら 、あったかい体温につつまれて また意識が微睡に溶けていく 。
……… わけにも行かず 。
私たちはしぶしぶ布団から起き上がった 。
制服のジャケットをかっちり着込んで 、マフラーをして 、ホッカイロをシャカシャカ振っていても江戸の冬は寒い 。地球温暖化どこ行っちゃったんだよ 。
近藤さんがにっこり笑って私よりも二回りくらい大きいジャケットを差し出してくれる 。
うしろから体重をかけられて うお 、なんてびっくりした声を出してしまう 。振り返ると真横に総悟の顔があった 。
確かに総悟とくっついているといつもなんだかあったかい 。近藤さんを一月の冷気のもとにベストオンリーで晒すわけにもいかないので 、丁重にお断りした 。
元気に手をふって去っていく近藤さんを見送ってから 、総悟が私に向き直った 。
煙草の匂いが私と総悟の間を割る 。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。