※ kyng side .
まるで 、夏の入口みたいな日差しが
コンクリートをジリジリと焼いて .
昼休みの屋上はじんわりと熱を帯びていて 、
俺たちは北側の壁際 … 日陰になった軒下に
集まって腰を下ろしていた .
マナが広げてくれたスマホの画面には 、
自分たちのカメラとは別に 、ふたつの窓が映る .
ここにはいない 、他4人の在処だ .
カランコロンッという入店音と店内のBGMを背に 、
カフェの制服姿のまま顔を覗かせた2人 .
フラペチーノ片手に陽気に手を振るウェンと 、
興味津々にカメラを見つめるカゲツだ .
ウェンたちの会話に耳を傾けながら 、
俺はブラックコーヒーを傾ける .
飯 …… は 、これが終わった後にでも食うか .
画面に映るのは 、座っている宇佐美と
その背後で脚立に登って本と睨めっこするイッテツ .
この2人の声量は絶対に書店向きではないけど 、
ある意味合ってるんじゃね? って思ってたが ……
カフェ組も書店組も 、上手い具合に街に
馴染めていそうなのは何となく伝わってきた .
俺も 、学校担当になると何かと面倒だろうと
思っていたからカフェとか書店が良かった 、って 、
…… 潜入初日までは 、思ってたな .
8人もいれば 、音声が大渋滞するのは当たり前で .
パンッと手を叩いた伊波が 、
この場にひと時の静寂を作り 、言葉を発した .













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。