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第1話

犬のお巡りさんだって迷子になることはある!
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2025/11/04 12:01 更新
朝の万事屋。
障子をすかす光が部屋の埃を照らし、
静かなのはほんの数分だけ。

「おーい銀ちゃーん!ご飯まだアルかー!腹減ったヨ!」
神楽の声が響くと同時に、
銀時はちゃぶ台の上に突っ伏したまま動かない。

「……オレの分も残してから叫べや……」
寝ぼけた声でつぶやくと、神楽は容赦なく枕をぶつけた。

「残してほしかったら、起きるネ!」

銀時は顔だけ上げ、片目を細める。
「朝っぱらから暴力ヒロインかよ……。
ああ、平和だなぁ……地球滅びねぇかなぁ……」

「そんなこと言わないでください!」
新聞を片手に新八が入ってくる。
「依頼ひとつ来てますよ。
“落とした犬を探してほしい”って。」

「……犬探し?また犬かよ。
この間も猫の次に犬で、その次はハムスターだっただろ。
俺たち動物探偵事務所か?」

神楽がニンマリする。
「いいじゃないアルか、動物は裏切らないヨ。人間よりマシネ。」

「お前が言うと重ぇんだよ。」

結局、三人はなんだかんだ言いながら外に出る。
銀時はアイスをくわえ、神楽は酢昆布を噛み、新八はため息をつく。

「銀さん、またそれ食べて……朝ご飯それですか。」

「栄養バランスの頂点だぞ。氷と砂糖で涼しさと元気を補給できる。」

「そんな理屈あるかぁぁぁ!!」

通りの人が振り向く。
銀時は平然とした顔でアイスをかじりながら言った。

「新八、声がデカい。恥ずかしいだろ。」

「どの口が言ってんですか!」

神楽はそんなふたりを横目に、
「まぁまぁ、今日も平和ネ。」
とつぶやいた。

銀時がちらりと空を見上げる。
どこまでも青い空に、白い雲がゆっくり流れていく。

「……ああ、平和だな。
依頼がなくても、こうしてバカやってられりゃ、それでいいや。」

神楽と新八が顔を見合わせる。
次の瞬間、三人の笑い声が商店街に響いた。

どこかの誰かにとっては、なんでもない一日。
でも、彼らにとってはそれが“幸せな日常”だった。

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