第3話

な か っ た こ と に し な い で
7
2026/06/20 15:00 更新
碧 s i d e 





静寂とスノードロップの馨香けいこうが碧の体を蝕んでいる。




盲目が犯した出来事を反芻する。





ひ、




と、




ご、




ろ、




碧「し…?」



烏「おやおや、こんなに汚して…一体、どうしたと言うのだろう。」




いつの間にか、背後に立っている。




紅が居ない。




碧「紅知りませんか?」




烏「さあ。ちょっとショッキングだったから、部屋で休んでいるのかな。」





碧「ありがとうございます。」





何となく、嫌な予感がする。



ほのかに、サンカヨウの香りがする。





碧「紅!大丈」




透明で思わず見惚れて仕舞う液体と、腹が動いていない紅が有った。




咽返むせかえる程に甘ったるい、透明な液体が為した花束の幻像が脳を支配する。







手脚がびりびりしてくる。頭がくらくらする。月の影だけが希望を照らしている。





ここに居てはいけない。逃げなければ。





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