碧 s i d e
静寂とスノードロップの馨香が碧の体を蝕んでいる。
盲目が犯した出来事を反芻する。
ひ、
と、
ご、
ろ、
碧「し…?」
烏「おやおや、こんなに汚して…一体、どうしたと言うのだろう。」
いつの間にか、背後に立っている。
紅が居ない。
碧「紅知りませんか?」
烏「さあ。ちょっとショッキングだったから、部屋で休んでいるのかな。」
碧「ありがとうございます。」
何となく、嫌な予感がする。
仄かに、サンカヨウの香りがする。
碧「紅!大丈」
透明で思わず見惚れて仕舞う液体と、腹が動いていない紅が有った。
咽返る程に甘ったるい、透明な液体が為した花束の幻像が脳を支配する。
手脚がびりびりしてくる。頭がくらくらする。月の影嵩が希望を照らしている。
ここに居てはいけない。逃げなければ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。