ロシアに着いた三国は独特な形をした建物に
入る。キュビスムの絵や抽象画のシュプレマティスム
もそのまま建物に投影したような少し違和感のある
建物だった。
にしても、厳かな雰囲気だ。
そんな場所とアメリカさんが全然マッチしていなくて
笑える。アメリカさんがスキップでもするように
奥へ奥へと進めばステンドグラスが彩る
小さな通路と、扉があった。
ドイツが共感するかのように苦笑いをする。
ステンドグラスに照らされながら
アメリカが通路を渡り始める。
アメリカさんがいるから安心感があるのか
自然と緊張感は失せていた。
きっと、アメリカさんが強いって本能で
察知でもしてるのだろう。ドイツも心做しか
表情が緩くなった気がする。
そんなことを考えていれば
ドアの前に来ていて、アメリカが手をかけ
声をかける。
アメリカが落ち着かせるように声を私たちに
かけてくれた。口調が柔らかく優しかった。
普段とのギャップに見惚れながらも
ドアノブをきっ、と捻った 。
少し開いたと思えば、
ピアノの音が耳を癒した。不協和音のようで
でも、和音がしっかりとある不思議な旋律だった
ずっしりとこん、こん、と鍵盤が落ちる音がする
いいピアノなのだろう。
そして音が聞こえ始めた瞬間、
ドイツが嗚咽し私のスーツを掴んで伏せた。
だん、とピアノの音が止まり冷気がしたと思えば、
ドアが勝手にきぃ、と開いて驚いた表情をした
" あいつ " がいた。
状況が整理できない。
まずなんでドイツが倒れたんだ?
そしてなんで、冷戦を繰り広げた奴らが平然と
話してる……
アメリカが目を色を変えてソ連の胸ぐらを掴む
ソ連があまりにも淡々と答えるので
アメリカが冷静になり掴んでいた手を離す。
ドイツの容態はどんどん悪化している。
俺のスーツをへなゞと掴んでバランスを取らないと
今にも倒れそうだ
そう聞けば俺はうん、と
頷いてドイツを持ち上げようとおんぶを試みる。
勿論無理だ。
こういう時にあぁ、鍛えとけばな〜と思う。
見かねたアメリカがドイツと俺をいっぺんに担いで
ソ連の部屋へと運び出した。
少し疲れたのかアメリカが頬を赤らめれば
落ち着きのあるふわりとしたソファーに
ドイツと俺を置いた。
ドイツがずっと魘されている。
ソ連がドイツの額に手を当てて
少しきらりと周囲が煌めけば、はっとしたように
アメリカと俺を見た。
アメリカがツッコミを入れるように
ソ連の勢いよく横腹を突っつけば、
あまり微動だにせずソ連が反応する …
痛くないのか …… てか、全然
平気そうだし ……
つい、声に出してしまいばっと、口を塞げば
アメリカ達が面白がるように笑う
ソ連がドイツの胸元に手を添えては、
目をぱっと、見開く、きら、と蒼白く目を
光らせれば氷が割れたような音がした。
アメリカさんが睨みを少々聞かせて問う。
ソ連さんがそんなことを言えば
疲れきったドイツにさりげなく口付けをした。
急な口付けに驚いた、
え、えーと、口と口で 、えぇ? ドイツが
いくらかっこいいとはいえ、ええ、 ……
少し複雑な感情になってごちゃごちゃとした
そう言ったと思えば私の頬に手を添えて
顔を近付けた。
ソ連さんのまつ毛が触れると思えば、
ソ連さんのマフラーをひっぱり子供でも叱る
ようにアメリカが"それ"を止めた。
にしてもソ連さんは顔が綺麗な方だなーと、思った。
ドイツはかっこいいし
アメリカさんはやんちゃなかっこよさだし、
ソ連さんは美人って
俺場違いじゃないか …… ?
小声でなにか話している。
ソ連さんがふざけたようにアメリカさんの
頬を突っつく 、
私が目の色を変えればそれを察したかのように
ソ連さんがこちらを見る。
_____ 拒絶













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!