相澤side
あなたは捕縛布を噛みちぎり、俺を組み敷いて牙をむき低く唸った。
目はギラギラと光り、敵意を剥き出しにしている。
けれど、俺は反撃しなかった。
恐らく、どうにか押さえつけることはできる。
でも、今はそんな強制的なことをしてはいけない気がした。
驚かせないようにゆっくりと両手を頬に添えて、優しい声で話しかけた。
あなたは辛そうに顔をしかめて、俺を組み敷く力を強めた。
抑えつけられている肩が軋む。
どうしたらあなたの痛みを和らげてあげられる…
唸りをやめたあなたの目は、潤んでいるように見えた。
段々と俺にかかる力が弱くなる。
あなたの体がどんどん元のサイズに戻っていく。
あなたの目から涙が溢れ、俺の頬に落ちた。
そう呟くと、元の姿に戻って俺の上で意識を失った。
気を失ったあなたを姫抱きでかかえて病院に戻った。
病院で事情を説明し、新しい病室を用意してもらいベッドに寝かせた。
時計を見ると夜中の1時を過ぎており、流石に眠気に襲われ、あなたの手を握ったまま眠りに落ちた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。