平凡な日々。
楽しみだった日々。
苦しかった日々。
泣いた日々。
“ 戻れたらって、ちょっとだけ ”
橙.
妖狐を人にする研究所?
翠.
うん。街で聞いた
青.
それって…れむちが出てきた研究所ってこと?
紫.
いや…それはないと思うよ
青.
え、なんで?
紫.
…れむがいた研究所はなくなってるから
赤.
…れむが言っていたな、爆発した、と
橙.
どうして急にそんな話が?
翠.
街でたまたま聞いただけだよ。俺も詳しくは知らない
橙.
…れむが聞いたら、どんな反応するんやろうな
青.
れむちには聞かせたくない話だね…
赤.
…それも噂なのだろう?真偽は分からん
翠.
アルケーの言う通り。研究をしてるのかすらも分からないし、ここらの街にあるかも分からない
橙.
でも、もしここら辺の街にあるんならかなめらは危ないんちゃう?
青.
研究所の人たちって絶対妖狐を狙ってるよね?
紫.
俺たちは妖術で人の目なんていくらでも誤魔化せるからいいんだけど…
翠.
研究所があること自体が問題なんだよ
青.
え…そうなの?
赤.
ああ。もちろんこのままいけば俺たちも危険になるだろうが、その前に研究所のある街がまずい状況になる
橙.
…あ、そっか。捕まった妖狐が素直に研究を受け入れるわけじゃないもんな
翠.
ご名答。捕まった妖狐が研究所を逃げ出したら?研究所を壊したら?
青.
…街は混乱する、ね
紫.
捕まってる妖狐の数次第では、キニゴスの処理が追いつかなくて街が潰れちゃうよ
橙.
けど、研究所の場所も、そもそもあるかも分からん、なんてどうするんや?
翠.
そりゃあ…俺たちが行くしかないでしょ
紫.
はあ~……なんかそんな気はしてたけど…見つかったらどうなるか、分かってるの?
青.
ええっ、もしかして、俺たちが街に行くってこと?
赤.
…かなめが言っているのはそういうことだ。しかしだな…
翠.
分かってるよ、相当危ない行為だってことは。でも放っておくこともできないでしょ?
紫.
…そうだけど!
翠.
俺一人で行くって言っても、しのたちは反対するくせに
紫.
当たり前でしょ!かなめ一人なんて、怖いじゃん!
橙.
優しいんか、信用がないんか…分からんなw
赤.
だが…全員で行くのはさすがに危険すぎる
翠.
…だから、一回俺だけで研究所があるのかだけ確認してこよっかなって
紫.
え~、かなめだけで?
橙.
…なら、うるみやも行こうか?
青.
えっ、うるが?だめだよ、危ないよ!
橙.
でもうるみやは、キニゴスたちに死んだと思われとるんやろ?顔と髪だけ隠していけば、気づかれる可能性低いと思うけどなぁ
青.
そ、そんなこと言ったら俺だって…
紫.
しゃるは隊長だったんでしょ?どのくらい知られてるかは分かんないけど、かなり危ないんじゃないかな?
橙.
せやで。しゃるの顔はけっこう広く知られとる。街に出るっていうのは危険や
青.
……うるだって、危険だし
橙.
心配してくれるんは嬉しいけどな。うるみやはそこまで顔も広くないんで
青.
…………
紫.
…でも、うるも行ってくれるなら俺は安心だな
赤.
俺もだ。ただし、本当に行くなら十分気を付けろよ
翠.
気を付けるよ。…俺はいつも街に行く感じで行けばいいんだけどね
青.
うる…絶対ばれちゃだめだよ?
橙.
これ以上ないくらいに気ぃ張るわ
翠.
…じゃあ、さっそく今日の午後、行くか
橙.
おう
橙.
…おー、街久しぶりや~
翠.
あんまり見回すなって
橙.
ごめんやんww
翠.
笑い方特徴的なんだから笑うな!
橙.
あ、そうやった
翠.
…研究所があるとして、そんなところは限られてる
橙.
へー。じゃあ今はそこに向かってるんや?
翠.
そう。…でも街に噂が広がってるから、研究内容について隠すつもりはないのかもね
橙.
…人は、反対せんのやな
翠.
いいとも悪いとも思ってないでしょ、きっと。だって妖狐は自分たちの生活にほとんど関係ないんだし
橙.
…そういうもんか
翠.
さ、もうすぐで着くよ
橙.
え、もう?
翠.
うん。街の外れにあると思うから
橙.
…危険やしな
翠.
もしかしたら反対の街の外れにあるかもしれないけど…けっこう賑わってるからね。こっちの確率の方が高いでしょ
橙.
今回は研究所があるか見るだけ?
翠.
できれば中の様子も見たい。警備員とかがいるわけじゃないと思うから、窓から見るくらいはできるはず
橙.
それで妖狐がいればビンゴ…か
翠.
そういうこと
橙.
……お、あれ?
翠.
…あれっぽいね。妖狐が騒ぐかもしれないから、慎重に
橙.
りょーかい
翠.
窓は……
橙.
あっ、あっちに一個だけ
翠.
おっけー。行こうか
翠.
…高いな
橙.
うるみやもぎりぎり覗けんわ…
翠.
…うるみや、肩車してくれる?
橙.
…肩車?
翠.
うん。それで中を見るから
橙.
…分かった。落ちんなよ
翠.
任せて
橙.
…行くぞ?よいしょ…っと
翠.
…おー、見える、見える
橙.
妖狐おる?
翠.
んー……あ、なんか人来た
橙.
下ろすか?
翠.
いや、ちょっと待って……妖狐も一緒だ
橙.
……!
翠.
…下ろしていいよ
橙.
倒れんなよ?
翠.
うん
翠.
残念ながら、噂は本当だったらしい
橙.
どうする?
翠.
…とりあえず、帰って伝えよう
橙.
分かった
橙.
ただいま~…
桃.
おかえりうるみや。どこ行ってたの?
翠.
え、れ、れむ…?今日は地下で一日過ごすはずじゃ…
桃.
ただちょっと休憩しに来ただけなんだけどね?
橙.
れむ、あっこにいたんや
桃.
そうなんだけど…そうじゃなくてさ?
橙.
う、うん……
桃.
なんか隠してること、あるよね?
翠.
…しのー、今日の夜ご飯なにー?
桃.
ねぇ、かなめ?
翠.
…しのに夜ご飯聞いてからでもいいかな…?
桃.
絶対教えろよ?
翠.
…………
桃.
絶対ね?
橙.
(今のうちに逃げれるかな)
桃.
うるちゃんも逃がさないからね?
橙.
……ハイ
翠.
…れむ、一回落ち着けって
桃.
れむ、隠し事されるのが一番嫌いなの
翠.
う、うん…
桃.
そりゃあ人に言えないことの一つや二つあってもいいけど、この様子だとみんな知っててれむだけ知らない感じじゃん!
翠.
(お察しがいいようで…)
桃.
…なにがあったの
翠.
…みんなで決めるよ。れむに言うか言わないかは
桃.
それで言わないって結果になったら?
翠.
……納得してもらうしかない
桃.
…れむは頑固だよ
翠.
知ってる
桃.
…どうしても、言えないんだ?
翠.
今はね
橙.
…れむ、ごめん
桃.
いいよ、謝らないで
翠.
…うるみや、こっち
橙.
ん……
桃.
…れむは、ここで待ってるから
翠.
…分かった
コンコン。
翠.
…しの?
紫.
あっ、かなめ?
ガチャ
紫.
かなめ、ごめん!
翠.
いいよ。入っていい?
紫.
入って!うるも!
橙.
邪魔します
紫.
えっと…れむに言われたよね…?
翠.
言われたな。ていうか詰められたな
紫.
ごめん…気配探るの忘れてて…
翠.
話を聞かれたわけだな?
紫.
うん……
翠.
…なんで俺たちが詰められたんだ?
赤.
俺がお前らに聞けってれむに言ったからだな
橙.
犯人あるさんかい
青.
…話さなきゃいけないのかな
紫.
そ、その前に!かなめ、どうだった?
翠.
…当たりだよ。研究所には妖狐がいた
紫.
そっかぁ…
赤.
…研究所を破壊すんのなら、れむがいたほうが強力だな
青.
どうしても、れむには助けてもらいたいよね…
翠.
れむの協力なしで研究所に行こうとしても…れむが納得しないだろうしな
紫.
それに同じ研究かは分からないけど、似たような実験をされてるれむがいたほうが助かるだろうし…
橙.
…でも、それでれむのトラウマが刺激されるんなら、うるみやは反対や
青.
…俺も。伝えたとして、行かせないほうがいいと思う
紫.
…研究所でのことって、れむにとってトラウマなのかな?
赤.
どういうことだ
紫.
俺、この前れむの昔のことを聞いたんだけどね。辛いこともあったけど、研究所はれむを人にしてくれたし、いい思い出もあると思うの。だから…
翠.
その実験自体がれむのトラウマではないかもしれない、って?
紫.
俺は、そう思うんだ
青.
…れむは人みたいになったことに対して嫌っては言ってなかった
紫.
だからさ、言うくらいはいいんじゃないかな?行くかどうかは…れむが決めてもいいだろうし
赤.
…俺は賛成だ
翠.
俺も。しのの話が合っているなら、言うくらいはいいんじゃない?
青.
……うるは?
橙.
…まだ、悩んどる
紫.
…一回、俺を信じてみない?きっと大丈夫だから
橙.
…まぁ、うるみやはれむが話を聞いてひどく取り乱すことはないと思う
青.
それは…俺も思うけど…
翠.
悩めばいいよ、二人とも
紫.
かなめ?
翠.
大切な仲間のために、今日一日じっくり悩めばいい
赤.
…早く終わらせなきゃいけねぇもんでもねぇしな
橙.
…しゃる、この後、うるみやの部屋来てや
青.
…分かった
翠.
…それじゃあ、一旦解散ってことで
紫.
はーい
赤.
了解
橙.
しゃる、行こう
青.
…うん
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第27話 20.〈作戦会議〉
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編集部コメント
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