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第2話

第2話
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2026/07/06 12:24 更新
土曜日。




約束の時間より30分も早く図書館に着いてしまった。




(……早く来すぎたかな。)



少し緊張しながら参考書を開いていると、後ろから優しい声が聞こえた。




阿部「おはよう。」




振り返ると、そこには阿部くん。




白いシャツにデニムというシンプルな服装なのに、思わず見惚れてしまう。




「お、おはよう!」



阿部「待たせちゃった?」



「ううん!私が早く来すぎただけ!」




そう言うと、阿部くんは優しく笑った。




阿部「そっか。じゃあ今日はたくさん勉強できるね。」




その笑顔を見るだけで、緊張が少しほぐれていく。
席に着くと、阿部くんはノートを覗き込んだ。




阿部「前回教えたところ、復習してきた?」



「うん!」




ノートを見せると、阿部くんは驚いたように目を丸くする。




阿部「すごい。ちゃんとまとめてる。」



「阿部くんの教え方が分かりやすかったから!」




その言葉を聞いた阿部くんは、少し照れたように笑った。




阿部「そう言ってもらえると嬉しいな。」




その笑顔に、また胸がドキッとする。
勉強を始めて2時間。



「うぅ……頭がパンクしそう。」




私は机に突っ伏した。




すると阿部くんがクスッと笑う。




阿部「よく頑張ったね。少し休憩しようか。」




そう言って、自動販売機で飲み物を買ってきてくれた。




阿部「はい。あなたは甘いの好きそうだから。」



「えっ、ありがとう!」




私の好きなカフェオレ。




偶然なのかな、それとも…。




「どうして分かったの?」



阿部「なんとなくかな。」




そう言って笑う阿部くん。




(なんとなくでも、嬉しい……。)
帰る時間になり、図書館を出る。




夕方の風は少し涼しくて、二人で並んで歩く帰り道が心地いい。




「今日はありがとう。」



阿部「こちらこそ。あなたが頑張るから教えるのも楽しいよ。」



「ほんと?」



阿部「うん。だから、来週も一緒に勉強しよう。」




その一言だけで、心臓が大きく跳ねた。




「もちろん!」




笑顔で返事をすると、阿部くんも優しく笑い返してくれる。




別れ際。




阿部「じゃあ、また来週。」



「またね!」




阿部くんが手を振って歩いていく。




その背中が見えなくなるまで見送っていると、自然と笑みがこぼれた。




(来週も会える。)




その約束だけで、一週間頑張れそうな気がした。




一方その頃——




阿部side




図書館を出て一人で歩きながら、ふと今日のことを思い返す。




阿部(あなた、本当に頑張り屋さんだな。)




最初は「勉強を教えてほしい」と頼まれただけだった。




でも、一生懸命ノートをまとめて、分からないことを素直に聞いてくる姿を見ると、つい応援したくなる。




そして——。




阿部(……笑顔、かわいいな。)




そう思った瞬間、自分で少し驚いて苦笑する。




阿部「何考えてるんだ、俺。」




まだ、この気持ちが恋なのかは分からない。




だけど、来週また会えることが少し楽しみになっている自分がいた。

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