塾帰りに橋の上で
ふと そう呟いた 。
思い返せば何も楽しくない人生だった 。
学校で聞こえるのは私の悪口だけで …
友達なんかいなくて …
… しかも 別に可愛いからいじめられている
ヒロインでもない 。
どこにでもいるただのモブだ 。
面倒だからと顔すら描いてもらえない…
描いてもらえた顔も ,
ただのブスだった 。
物語は主役 , 相手役 , 悪役 , 脇役と
構成されるが , その全てが
全員美形に描かれる 。
なのに , なのに ッ … !
__どうして私だけ ッ ! !
私なんか , 存在しない方がみんな幸せだ
きっと 。
そう思い , リュックを下ろして
橋の柵に足をかけた 。
別に誰かが止めてくれないのは
悲しいことじゃない 。
邪魔されないのは好都合なことだ 。
落ちたら最後 , 溺れるだけだ 。
だって運動神経がないんだもん 。
そして思う 。
良かった , 最期に見るこの川が綺麗でって 。
川の水は透き通っていて ,
満月がきらきらと浮かんでいる 。
水を含んだ服の重さで
思ったよりも早く 水中に沈んでいく 。
しばらくすると , なんていうか
寝ているような起きているような …
視界は真っ暗で心地よいのに
「あー自分寝てるんだー」みたいに
認識はできるような …
これが『死ぬ』ってやつかなぁなんて思っていると
確かに誰かが私に語りかけた 。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。