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第1話

prologue
1,414
2025/04/29 03:19 更新



あなたの前世の時の名前(漢字)
… しんど 。



塾帰りに橋の上で
ふと そう呟いた 。


思い返せば何も楽しくない人生だった 。


学校で聞こえるのは私の悪口だけで …
友達なんかいなくて …



… しかも 別に可愛いからいじめられている
ヒロインでもない 。


どこにでもいるただのモブだ 。
面倒だからと顔すら描いてもらえない…


描いてもらえた顔も ,

ただのブスだった 。




物語は主役 , 相手役 , 悪役 , 脇役と
構成されるが , その全てが


全員美形に描かれる 。





なのに , なのに ッ … !









__どうして私だけ ッ ! !




あなたの前世の時の名前(漢字)
 みんな喜んでくれるかな … 



私なんか , 存在しない方がみんな幸せだ

きっと 。





そう思い , リュックを下ろして
橋の柵に足をかけた 。








別に誰かが止めてくれないのは
悲しいことじゃない 。

邪魔されないのは好都合なことだ 。



落ちたら最後 , 溺れるだけだ 。

だって運動神経がないんだもん 。



そして思う 。

良かった , 最期に見るこの川が綺麗でって 。


川の水は透き通っていて ,
満月がきらきらと浮かんでいる 。
あなたの前世の時の名前(漢字)
 ばいばい , 私 。








 

水を含んだ服の重さで
思ったよりも早く 水中に沈んでいく 。


しばらくすると , なんていうか

寝ているような起きているような …


視界は真っ暗で心地よいのに

「あー自分寝てるんだー」みたいに

認識はできるような …





これが『死ぬ』ってやつかなぁなんて思っていると



ああ……愛しい我が君 … 
 


確かに誰かが私に語りかけた 。




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