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第12話

リア友の書いた小説のせますん
518
2023/03/22 08:41
本編書いて無い(移すのめんどい)んで時間稼g...ヴヴン友達の神小説乗せます、え?進捗?ろ、6割ですけど?()あ、でも書き方ちょっと変えるんでほんとに時間はかかるかもです!

なんならなんか無断転載うんたらかんたらこわいんで全員のアイコンデジタルで書くからもっと遅くなるっていう....はい...なるべく更新します
あ、wrwrdのみです
走っても走っても逃げられない。あいつが追ってくる。
数が多く、驚異的な繁殖力を誇る生物。大陸の支配者に君臨した人間が、本能に支配された矮小な俺を追ってくる。
俺は森を愛していて、森も俺を愛していた。だから、森の奥深くに棲みついたんだ。
優しい母なる森は隠してくれるから。恐ろしい耳を、牙を、爪を、森は人間たちから隠してくれる。
初めから僕の存在など無かったかのようにかき消してくれるから、この森から出ようなんて思わなかった。
――森だけがぼくを愛してくれた。
荒い呼吸に喉がひりついて、少しだけ鉄の味がする。いつの間にか口の中が切れてしまったのかも知れない。
全身から吹き出す汗だけでは体の熱を逃がせず、暑く燃えるように体温が上がっている。長らく切っていなかった前髪が額に張り付き、視界を遮って鬱陶しい。こうなる前に切っておけばよかった。
ああ、違う。そんな事を考えている場合じゃないのに、恐怖に囚われた思考は現実逃避をし始める。
なんで、なんでこんな事になったんや。
なんで目が合ったんやろ。森が騒がしいからちょっと様子を見に行っただけやった。やのに、まさか人間がいるなんて! もしも知っていたら絶対に近づかなかったのに!
今までの人間はあんなに遠くから目が合うことは無かった。あいつらは数が多いだけで愚鈍な生き物だから、俺の動きにはついてこれない。ついて来られないはずやのに!
だから、今回も逃げ切れると思ったのに!!!


「なぁ、待てや!」
ああ...、もうダメだ。捕まった。捕まってしまった。
愚かで残虐な人間に掴まれた腕をみる。
あまりの恐怖に、仕舞うことを忘れた鋭い爪を持つ白い腕。そして、逃がさないとでも言うようにがっしりと掴む、日に焼けた太い腕がある。
ど、ど、どうしようっ!怖い。逃げなきゃ。
でも、腕が掴まれてて逃げられない。動けない。
混乱して考えがまとまらない脳を置いていくように、ぐいっと腕が強く引かれた。
驚き見上げた先には、鮮血のように真っ赤な瞳がこちらを見下ろしている。




「......きれい。」
ふはっ
「なんやねん、お前。散々逃げといて第一声がそれかぁ?
こちとら緊急の潜入任務を終えて、敵に見つかりにくい森を横断させられてる所やってんぞ。
なんか熱い視線感じるな〜と思ったら、珍しい人狼がひょっこり草から顔出しとるやん。そんで呼びかけたら逃げられるし、追いかけても逃げられるし。」
もうヘトヘトや。
そう言って笑う人間は今まで見たニンゲンとは違っていた。何が違うのかは分からない。
でも、数多く群れる人間の中で、こいつだけが息づいている。そんな感じがした。
いつの間にか俺は赤い瞳に囚われていて、硬直したように体が動かせなかった。
けれど、思い出した。思い出したんや。いくら綺麗でも、目の前にはおるのは人間や。
俺を生き物とすら思わない残忍な種族の一端。
深い緑の服と、風に揺られる赤く長い布。その隙間から見えた純然たる水色の光は、一瞬忘れかけていた恐怖を再び呼び起こした。
――俺たち人狼を切り裂く鋭い刃。
早鐘を打っていた心臓の音も、もう何も聞こえない。
「いや、いやや!
やめて。俺らが、僕が何したっていうん!
僕は人間なんて食ってない。そもそも、いっぱいおる種族を食ったから何なん?! お前たち人間やって、森に住む動物を食うやんけ。
何にもしないから、絶対に人間を傷つけへんから離してや! お願い...、ころさんといてっ......」
怖くて、悲しくて、息が詰まって苦しい。
僕はただ普通に暮らしていただけやのに......
そんなに、生きてることが罪なのか。
「待て待て、何を勝手に勘違いしとるねん。
俺はお前を殺すつもりないで。そりゃ、攻撃してきたら話は別やけど、お前は何にもせんのやろ?
やったら、俺もお前を傷つけたりせんから泣き止んでくれや。」
こんな小さい子ども泣かしたって知られたら、絶対に笑われる。それで済んだらええけど、ある事ないこと騒がれたらたまらん。
俺を掴む右手はそのままに、左手でかっちりと整えられた黒髪をぐしぐし掻き乱す人間。
散らばった髪の間から覗く赤い目は、たしかに鮮血を思わせる赤だった。けれども、森で見る全ての生き物を照らす朝焼けの赤にも見えて、少しだけ擽ったく優しい色だとも思った。
母さんの黄緑とは真逆やけど、同じ視線や......
いつの日だったか。人間に見つかり追われていた僕を逃がした母。
逃げなさいと叫んだ母さんの目は恐怖と怒りに瞳孔が鋭くなっていた。
けれど、今でも思い出される幸せな日々があった。“あの頃”としか言い表せない日々はそれでも存在した。
森に隠れて暮らすしかない僕にも、“愛してる”と言って、目を細め優しく微笑んでくれるひとがいたんや。
思い出したくないけれど、思い出したくなる日常。幸せで、戻りたいと願うあの頃。
そういえば母さんが見せてくれた肖像画にも、目の前の人間と同じ赤色があったことを思い出す。
――父さんの瞳と同じ色や。
「ほ、ホンマに何もせぇへん?
その剣で僕を刺したり、痛いことせんの?」
生まれて初めて、人間の目を見ながら話した。目を見るどころか、“話す”こと自体が初めてや。
同じ言語を使ってるのにな...
「ホンマやで。
ここらは人間以外に厳しい国が連なってるからなぁ。信用できんのも分かるわ。
けどな。わいの国は色んなヒトが住んどるんよ。
空を飛ぶ鳥人が居れば、犬や猫の特徴を持つ獣人もおる。なーんも珍しいことちゃうで。」
ぽふぽふと僕の頭を撫でながら話す人間は、そう当たり前のように言った。
......人間以外のヒトも暮らす国。ホンマにそんな国があるんやろか。
夢のような話に頭がぽわぽわする。
久しぶり誰かの温かみを感じたからかもしれない。
「遠目に見て思ってたけど、お前ほんま小さいな。完全に子どもやん。
もしも父さん母さんがおらんのやったら、俺の国に来るか?
うちの国は福祉にも力を入れとるから、暮らしの心配をする必要はないで。」
フクシってなんやろ?
でも、この人間の言うことなら大丈夫だって思ってまう。
ちがう、ちがう!こんなん可笑しいやん。
人間は怖くて、卑怯で、僕ら人狼を殺す醜悪な生き物や。
そう思ってたはずやのに...、優しくせんでや。ぼくはもう1人になりたくないねん。
頭に触れている温かい腕を振り払い、後ろへと飛び下がる。
「無理に決まってるやん。ぼくは! ぼくは人狼やねんで?!
爪も牙も、大きな耳だってダメなんや。人間を簡単に殺せてしまう僕は愛されへん。どうやったって認めてもらわれへん!」
場所が変わるくらいで人狼
に対する扱いが簡単に変わるわけが無い。
いつだって人狼は人間に嫌われる生き物やもん。
1度止まったはずの涙がまた溢れてくる。
悲しくなんてないのに、ずっと知っていたことを言っただけやのに、なんで止まらんの...?
涙を拭いた袖は、濃く色が滲んで重くなっていた。それがなんだか僕の気持ちを表すようで、もう何もかもが嫌になる。
「何があかんねん。
お前の爪も牙も、仲間を守るための武器になる。かっこええやん!
その耳で遠くの音も、めっちゃ小さい音も拾えるんやろ? 諜報任務に役立つし、人間では努力しても手に入れられへん才能や。
まぁ、なにより可愛ええしな。可愛いは無敵やねんで。知ってるか?」
巨体に見合う長い腕を大きく広げ、赤い瞳をキラキラさせながら子どものように笑う人間。まるで狂人のような仕草が何故か恐ろしく感じられない。
その理由はきっと、彼の口から発せられる言葉が人狼
ぼく
を褒める言葉ばかりだからだ。
普通の人間はそんな言葉を言ったりしない。今まで罵倒され殺されそうになった経験しかないのに、この人間は出会ったときから僕が人間のように接してくる。
そんな不思議な感覚を抱かせる人間は、さらに驚く言葉を口にした。
「実を言うと、俺の仲間にも人狼がおんねん。
小さめの体してるけど耳と目がええんよ。お前ほど運動が得意なわけじゃないねんけど、代わりに情報を集めて発信する天の声をしてるわ。
めっちゃ凄いやつで、力強い声に安心させられるんよなぁ。」
「ぼく以外にも人狼がおるん⁉」
咄嗟に叫んでしまったが、人間は驚きながらも「せやで。」と返事をしてくれた。
母さん以外の人狼を僕は知らない。だから、合ってみたいと思う気持ちが顔を出し、それを抑えることが難しくてちょっぴり苦しい。
もしも、もしも彼の言う通り人狼がいたとして、そいつが誰かに必要とされながら生きているのなら...
僕もそんな風に誰かに求められながら生きる事が出来るんかな。人狼でも幸せに生きいいって、そう思える日が来るかな。
そんな迷いを察したのか、彼は僕に手を伸ばして選択を迫る。
優しい赤が距離を詰るけれど、また飛び下がる気にはなれなかった。
「俺はお前を気に入ってるよ。もともと動物は好きやし、言葉が伝わってこんなにも意思疎通ができる狼さんとか手放されへんわ。
他の人間がなんと言おうと、俺はお前を必要とする。化け物なんて言わんよ。俺がお前を認めたる。
やから、一緒においで。化け物じゃなくて、脅威になろう。外敵から味方を守り抜く、最強の脅威に俺がしたる。」
――お前はどうなりたい?
人間は真剣に言い切った。
そして、一方的に奪われるだけだったおれに、どうしたいかと選択を与えてくれた。
そう理解した瞬間、なにか熱いものが体の奥底から湧きだし心臓が早鐘を打つ。
もう迷うのも、人狼だからと諦めるのも止めよう。嘆くだけの弱いぼくは此処に置いて行こう。
「もしも人狼…ううん。俺自身をを大切にしてくれる人間がいるのなら、俺はそんな仲間を守る脅威になりたい。もう2度と大切なひとを失いたくない。強くなりたい!
いつかあんたの事も守れるように頑張るから...、一緒に連れてって!」
頑張るのはええけど、強くなることが全てとちゃうで。俺は今のお前を気に入ったから連れていくねん。
今のままでも俺はお前を必要としてる。それを忘れるなよ。
そう言うと、人間は俺に手を差し出した。
「それじゃあ行こか。
俺の仲間の所に、お前の新しい家にな。」
ついでに言うと俺の名前はトントンや。
お前の名前は?
「俺はゾム!」
ぎゅっと握った手は、泣きたくなるほど温かかった。
ねぇ、神すぎません?
こんな神小説読んだらこの後に出す私の小説霞むじゃないですか


設定神だし語彙力の塊だしもう愛おしくて愛おしくてたまらねぇじゃねぇかクソっ
マジでこの子と出会って良かったわ
こいつです


みんな!フォロリにいこう!!!
ツナ!約束は果たした!
では!=͟͟͞( ◜௰◝  )スタッさらば

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