「ちょっと、あなたそれ本当なの?!」
私の言葉にハーマイオニーが驚きを隠せない様子で大きな声を出した。
「ほんと、どうかしてるよ」
『そう、なのかな…』
「あぁ、普通じゃないね」
「ちょっと、ロン!」
『でも、いい人なんだよね…かっこいいし』
「おい!ハリー聞いてくれよ!!あなたがマルフォイの
こと好きだって言ったんだよ、ほんとどうかしてるよな」
『ちょ、ちょっとロン!声大きいよ、!』
視線を向けると、綺麗なブロンド髪の男の子と目が合った。
彼が上に軽く投げた青いリンゴは再び掴まれることなく床に強く落ちた。
「良かったじゃないか、あの様子だとお望み通りマルフォイの奴も君に落ちたんじゃない?」
「ちょっと、ロン!そんな言い方しなくても…、!」
「だってあんなにハリーに嫌がらせをしてくる奴を好きになるなんて普通じゃないだろ?なぁ、ハリー」
「普通か普通じゃないかなんて分からないよ」
「はぁ?なんだよそれ。少なくとも僕は友達に嫌がらせするような奴を好きになる奴なんかと友達にはなれない」
『…そう、だよね…ごめんなさい』
「あ、え、いや、僕は…」
「私は協力はできないけど、応援してるわ。
何かあったら話しも聞くわね」
「僕のことも気にしないで大丈夫だから、まぁ相手としてはおすすめできないけどね」
そう言って笑うハリーにハーマイオニーが笑った。
「あなた、ごめん、言いすぎた。僕も応援はするよ。
けど、協力はできない」
『うん、ありがとう3人とも』
***
『あのね…言おうか迷ったんだけど3人には伝えたくてドラコと付き合えたよ、』
「おめでとう、あなた」
『え、驚かないの、?』
「驚くも何もマルフォイの奴、嬉しそうに言いふらしてるから先に知ってたよ」
『え…、』
「そんな赤くなっちゃってさ〜」
「ちょっと、ロン!揶揄わないの。まぁ、でもあなたに彼氏ができて泣いてる男は多そうだよね〜」
『ハーマイオニーまで…それに、いないよそんな人』
「…泣かされたら、いつでも慰めてあげるからね」
『ドラコはそんなことしないよ、ハリー』
「…そうだといいな、幸せになってねあなた」
聖28一族と呼ばれる純血の血筋のなかのロジエール家に生まれた私は、幼少期から闇の魔術を教わった。
覚えの悪かった私にお父様とお母様はきつく当たった。
微かな記憶のなかにいるお姉様も私をひどく嫌っていたことだけは覚えている。
それでも、お母様には一度だけ褒められた記憶もある。
お父様が拾ってきて1ヶ月間育てていた仔犬に、私がかけた闇の魔術が成功していたとき。
いま思えば、あれはお父様に可愛がられている仔犬への嫉妬心からきた魔力の暴走に近かったと思う。
それでも、いつもぶたれる頬をお母様の手が優しく触れた事実は変わらない。
ずっと、お母様の口癖は「貴方のことを思ってしているのよ、あなた」だった。
これがお母様からの愛の貌の現れだった。
お母様は機嫌がいいときは優しかった。
だから私はお母様の機嫌を損なわないように努力した。
闇の魔術も上手くできるように練習した。
そんな努力も虚しく、私はスリザリンではなくグリフィンドールに組み分けされた。
組み分け帽子は悩むこともなく、グリフィンドール!と声高らかにそう言った。
その時、私の中で強く黒い何かがグルグルと蠢いた。
「僕のこと好きか?」
綺麗なブロンド髪の男が、私の気持ちを確かめるようにそう尋ねてくる。
『えぇ、大好きよ、愛しているわ』
「やだ〜、ふたりとも相変わらず仲良さそうね
このまま結婚までしちゃうかしら」
「あなたの結婚相手がドラコだったら安心だな」
「そう言ってもらえて、光栄です」
私を中心に、お父様とお母様が笑っている。
偽愛することでやっと見つけた、私の愛の貌 ______
end.












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。