私・ナギは家の玄関に入るなりそう叫ぶ。
毎回思うけど、家の中に入ると帰ってきたー、って感じがするんだよね。
なんか、うん。
説明下手でごめんね()
とりあえずお母さんに声かけておこーっと。
そう思い、私はリビングにひょっこりと顔を出す。
あ、お母さん本読んでる。
これもしかして思いっきり邪魔しちゃったか?
よし、じゃあ取り合えず居場所(?)は伝えたし、ここはそーっと離れよう……
それから私は気配を消すようにしてその場を離れようとする。
するとその時、お母さんが振り返った。
え、私学校で誰か驚かすとき気配消すと誰にもバレないくらい気配消えるのに(((
お母さん気づいたのすごw
密かに私が感心しているとお母さんは笑って、
と言った。
お風呂早く入りたいな。
宿題めんどくさい()
やんなくてもいいかな☆
……あ、でも怒られるのも嫌だな(((
まあいいや、すぐ終わらせよーっと!
私は「はーい」と返事をすると、二階にある自分の部屋へと上がった。
ランドセルを置き、宿題を取り出す。
一人そう言うと、私は鉛筆を手に取り、宿題を始めた。
やっと終わったよ……。
んー今は……宿題始めてから十数分経ってるのか。
意外と時間かかったなぁ。
今日の宿題は量が少ない代わりに難しかったな。
よし、忘れないうちに明日の準備もしちゃおう。
じゃないと準備するのを忘れる気がする()
ランドセルに宿題と削りたての鉛筆を入れた筆箱を入れたのを確認し、部屋を出る。
それから階段を降りて、再びリビングへと向かった。
一応声はかけておかないとね。
もしかしたらお母さん私のこと探すかもだし。
リビングに入ると、今度はキッチンに立つお母さんの姿が目に入る。
お母さんは私の姿を認めると手をとめ、私に言った。
その言葉を聞いて、私は笑顔で頷く。
それからお母さんが「はい、いってらっしゃい」と言ったのを聞き、私はお風呂場へと向かった。
お風呂お風呂~♪
心の中で謎の鼻歌を歌いながら脱衣所で服を脱ぐ。
それを洗濯機にいれ、お風呂場に入った。
……まって湯気すご。
普通にむせそうw
私は心の中で一人騒がしくしつつ体を洗い、湯船に浸かった。
冬で寒い今の時期、お風呂のお湯の温かさは疲れた体に気持ちよく染み渡る。
いつもは少し歌を歌ったりするけれど、今日はのんびり浸かろうかな~。
しばらくぼーっとしてみたり、お湯で少し遊んでみたり。
そうして十分くらいお湯に浸かった。
もう十分あったまったでしょ!
私は足元を確認しながら慎重に湯船から出る。
滑って転んだりしたら困るからね。
それからお風呂場の扉を出てすぐのところにあるマットの上で体を拭き、そばに置いてある寝巻きに着替えた。
湯冷めして風邪をひかないよう、ドライヤーで髪を乾かす。
電源を入れると、ブオーッというドライヤーの音が脱衣所を満たした。
鼻歌を歌いながら、髪を乾かしていく。
乾かしてる時間って腕疲れるけど、思う存分歌ってても怒られないからいいよね(((
しばらくして髪の毛が全部乾いたのを確認すると、ドライヤーの電源を切ってリビングへと戻った。
今日の夜ご飯はなにかなぁ。
楽しみ!
リビングに入ると、出来上がった料理を食卓に運んでいるお母さんの姿があった。
おー、タイミングが完璧ですな()
私が声をかけると、お母さんはまたニコリと笑って
と言った。
私は「そんなことないよー」と笑いながら食卓に置いてある所の席に腰を下ろす。
……え、めっちゃおいしそう。
早く食べよーっと!
そして両手のひらを合わせ、
と元気よく言った。
お母さんは目の前のキッチンで調理道具を片付けながら「はーい、どうぞ」と言う。
今日の夕食はハンバーグだった。
ハンバーグは、私の大好物だ。
当然、私のテンションはMAX☆
……お母さん神だ、うん。
やっぱりお母さんしか勝たん!
そう思いながらハンバーグを一口サイズに切り、口に運ぶ。
口に入れた瞬間、肉汁と旨みがが口の中にジュワッと広がった。
お母さんが安心したように笑う。
私は大きく頷いた。
これ美味しくないとか言ったらだいぶ味音痴だね()
それくらい美味しいもん。
そう思いながらパクパクと食べ進め、あっという間に食べ終えた。
私は手を合わせてそう言うと、綺麗になったお皿を流しに運ぶ。
お母さんは「はい、どうも〜」と言って私からお皿を受け取って洗い始めた。
お皿を手渡してからすぐに、リビングにあるソファに座る。
そうそう、今日私が好きな人たちが出る番組があるんだよね。
それを思い出し、リモコンでテレビの電源を付けて、見たい番組のあるチャンネルに変えた。
チャンネルを変えると、CMの後、番組が始まる。
今日のこの番組面白いw
特にこの人たちのボケツッコミが私大好きなんだよね~!
私はその番組が終わる時間までひとしきり笑い、終わった後、またリモコンでテレビの電源を切った。
お母さんに促されるまま、洗面所へ行って歯を磨く。
んー、なんか今日笑ったからかめっちゃねむくなってきた……
眠気と戦いながらも丁寧に隅から隅まで磨き、口をゆすぐ。
私は一人そう呟くと、リビングへと戻った。
そして再び入り口からひょっこりと顔を覗かせる。
……なんか私このパターン多くね()
まあいっかw
お母さんは、私がさっきまでいたソファーに座ってテレビを見ていた。
お母さんがそう言うのを聞いてから、私は自分の部屋へ行った。
お父さん、今日も遅いのかぁ。
最近朝しか会えてないから、ちょっと残念。
そんなことを考えながら部屋に入って一度電気をつけ、明日必要なものがないか確かめる。
うん、とりあえず大丈夫だね。
特に特別なものが必要ないと確認できると、ベッドに入った。
布団を被り、電気のリモコンを操作して明かりを消す。
眠い……
段々と頭がふわふわとしてきて、うとうとと微睡む。
そんな中、ある考えが私の中をよぎった。
また、胸騒ぎがする。
みんなと学校を出る時と同じように、これも私の“当たり前の日常“だ。
そう、当たり前なのだ。
当たり前だから、あって当然のもの。
……本当に、そう?
こうして私は、そのまま眠りについた。
なぜだかすごく疲れていて、すんなりと眠ることができた。
ああ、“当たり前の日常“って、なんていいんだろう。
また明日。
何事もなく、いつもの七人組といつも通り、楽しく学校で過ごせるといいな。
完全に眠りに落ちる前、私はまだざわついている胸を宥めるように、少しだけそんなことを思った。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!