第7話

五話「幼馴染withユニメンとスイーツ」
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2024/03/14 19:53
カランカラン...

『またの御来店お待ちしてます____』

「えぇ、また来るわ♪」

常連のマダムが会計を終え退店したとほぼ同タイミングでスマホから

「ウソダズンドコドーン!ウソダズンドコドーン!」

と音声が流れた。
因みに幼馴染から連絡が来た時の着信音ね。
『んぉ?奴から連絡とは...今日はレッスン無いのかな』

LINEを開いて確認すれば、

「今からユニットの方と私の四名でお店へ向かいますが、大丈夫ですか?」
と。

『今常連さん帰ってったし、今日はもうほぼ客来ないと思うわ』

と返せば直ぐに既読が付いた。
数分後、ドアベルがカランカランと音を立てたので「来たか」と思いながらそちらへ視線を向ける。
『いらっしゃい


渉、そしてfineの方々』
そう、私の幼馴染とは夢ノ咲学院アイドル科の"五奇人"の一人でありトンデモな変人、「日々樹渉」である。

まぁ変人といっても、急に薔薇やら鳩やら出すだけで害は無いし慣れればただの良い奴だ。


そしてなんと言っても顔が良いから全てを許せるんだよ()
英「へぇ、ここが最近アイドル科で噂になってる喫茶店かい。そして彼女が、渉の幼馴染なんだね。」

わぉ、さっすが"皇帝"サマだ。離れていても神々しいオーラで目が潰れそうだぜ。
渉「えぇ。周りから変人扱いされて孤立しかけていた私を「面白い」と受け入れてくれた素晴らしい幼馴染なのですよ!!」

『他のお客居ないから大声と薔薇は好きなだけ出して良いけど、鳩は出すなよ?飲食店だから。』
渉に軽く注意喚起していると、彼らの後ろからひょこっとピンク色の髪が見えた。そしてその隣には紺色の髪が。
桃「ロン毛の幼馴染って聞いたから相当な変人だと思ってたけど...正常で安心したぁ。」

うーわ可愛いですね。正常だと思ってくれてるとこすみませんがこちとら超絶面食いオタクですぞ?油断してるとそのキュートな顔面盗撮しちゃいますよ?しかも微かに甘い香りしますねhshsしていいですか(この間僅か0.2〜3秒)(なおノンブレス)
弓「ふふ、綺麗な方ですね。」

ワッ.......どちゃクソタイプやわ........
落ち着いた声に泣きぼくろとか、がっつり56しに来てますやん...婚姻届持ってくる?()
...はっ、いかんいかん。幼馴染とはいえしっかり接客せねば。
『お好きな席へどうぞ。』
すると四人は迷いもせず真っ直ぐカウンター席へ座った。え、もしや今日命日だったりすりゅ?客の顔面が輝きすぎて私の顔面白飛びしてそうなんだが。え、W○STの中⬛︎淳太の白飛びみたいになって無い?大丈夫そ?(分かる人居るかな...)
桃「ん〜...」
メニュー表持って悩んでんのカワユス....

渉「あなた、珈琲ゼリーとコロンビアをお願いします☆」

英「僕はチーズケーキとオリジナルブレンドコーヒーを。」

桃「ボクはトライフルとココアね!」

弓「ではわたくしは、チョコブラウニーとモカをお願いします。」
『かしこまりました、少々お待ち下さい。』
冷蔵庫からチーズケーキと珈琲ゼリーとブラウニー、そしてフルーツ類とカステラを出す。

ブラウニーとゼリーは一旦置いといて、チーズケーキの表面をバーナーでゴォォォォと炙る。はいもう匂いが美味しいね。

次にフルーツとカステラを切って器に盛り付け、生クリームを絞って最後にさくらんぼを乗せればトライフルの完成。やっぱトライフルって簡単でいいね。

コーヒーを淹れるシーン?
あれはもう何回もやってるからカットだカット。
『お待たせしました〜』

スイーツと飲み物をお出しすると、目の前に座っている天璋院さんがニヤッと笑って話し出した。
英「折角だからさ、渉と君の幼い頃の話を聞いても良いかな?」
おっといきなりですな。

渉「えぇ、構いませんよ☆」

『幼い頃といっても、色々あり過ぎますな...』
渉が薔薇出して疑似プロポーズしてきたり、私が鳩に埋もれそうになったりと、思い出がエスプレッソばりに濃いんだよなぁ...
『あ、あれあるじゃん。中学の夏休みの課題のやつ』

渉「なるほど、読書感想文のですね☆」
弓「読書感想文のとは?」

『渉が感情をうまく言葉に変換出来ず書けなかったので、私が翻訳機として言葉に表して二人で完成させたって事があったんですよ。』

あれは結構楽しかったなぁ。だんだん渉の思考とリンクしていく感じが最高にこう...『ハイ!』ってやつだった。(語彙力の枯渇)(そして唐突なDI○様の出現)
桃「確かに、日々樹センパイが感情を言葉にするのってあんま無いしね。」

渉「昔からどうも感想を書いたり話すのがとてつもなく苦手でして☆」

『でも他の事は人よりずば抜けて出来るからほとんどの勉強教えて貰ってたんですよ。特に数学とか』
渉「あなたが自力で数学を解こうとすると有り得ない回答になってましたからね☆」

『うん。円錐の表面積が東京ドーム超えた時は自分でもビックリした。』

桃「どんな計算したらそんなことになるのさ...」

渉「計算式を見たらとってもAmazingでしたよ…☆」

英「よく夢ノ咲学院に受かったね。」
あと問題に出てきたたかし君を化け物にした事もあるんだよ。私のたかし君、時速200キロで走ったりするんよ。スゴいでしょ()
英「他にはどんな事があったんだい?」

渉「あとは...孤立していた私に手を差し伸べてくれましたね。」

渉はまだコーヒーの残ったカップを両手で包み、しんみりとした表情を浮かべた。
渉「学校の休み時間に一人で図書室から外を眺めて時に...」

『私が「手品見せて」って話しかけたんよね』

渉「ええ。他の方々は少し手品を見たら直ぐに飽きて離れていってしまうのに、あなただけはその後もずっとそばに居て、私の話し相手になってくれました...☆」
その後も私と渉の思い出は続いた。

私が某バスケ漫画のイ○ナイトパス真似しようとして手首やった事や、渉と一緒にデ○ズニープリンセスのモノマネして歌った事とか。

あと、折り紙で足の生えた鶴作って先生の机に仕込んだりした事とか。
こうして思い返すと、なかなかカオスな小・中学生活送ってたな。
<更に十数分後>

英「ふふ、君たちの思い出話を聞かせてくれてありがとう。でもそろそろ帰らなければ行けないね。」

『まぁまぁ外暗くなってきましたしね。』

英「お会計を頼むよ。」

『かしこまりましたー』
カタカタカタ...

『お会計、___円になります。』

英「カードで。」

彼の財布から出てきたのは、黒いカード...

そう、「BLACKCARD(良発音)」。初めて見た。
英「コーヒー、美味しかったよ。また来るとするよ。」

『はい、またの御来店お待たしております。』
会計を済ませた彼らが店を出ていく瞬間、渉が此方を向いてフワリと微笑んだ。

『....かっこいいなぁ。』

無意識のうちにそんな言葉が零れ落ちていた。

ただの幼馴染の筈なのに、いつの間にかずっと目で追うようになったのはいつからだったかな...

『いやいやいや、たとえ幼馴染だとしてもアイドルと交際なんて....』




君との関係を壊さないよう、この気持ちを隠して一人の「ガチ恋勢」でいなくちゃ。
【作者のひとりごつ】

皆様、幼馴染アンケートに投票して下さり誠にありがとうございました!!

最初は天祥院&蓮巳コンビがぶっちぎりだったんですがだんだんデットヒートしていって、見ているのが楽しかったです。

そして最終的に変態仮面こと日々樹渉に決定しました!!🎉🎉

それと、作者はまだメインストーリーを「DDD」準決勝のところまでしか読んでないので矛盾点が生まれても見逃して下さい...

まだまだ拙い作品ですが、どうぞこれからもよろしくお願いします(՞ . ̫ .՞)"

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