第3話

2枚目 🐧📄‪🌸𓈒𓂂𓏸
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2024/12/27 15:49 更新


あなた
か、可愛いって…!!
「はいカットー!!!」

私が、その男の人から言われた"可愛い"の真相について
問いただそうとするのと同時に、「カット」という言葉が
かかった。



ん?カットって…



「ちょっと君ー!!
困るよぉ、MV撮影中に敷地内に入られたらぁ…」

あなた
えむ、ぶい…?

「そう!"MV"!!MVだかんね!?」



突然、「カット〜!」と叫びながら入ってきた
少し大柄な男の人は私の前まで来ると「MV」と連呼した。



え、MVって、あの、"MV"…だよね?



え、この人って一体…



私はそう思って、さっきの超絶イケメンを見上げる。

ヨンジュン
ヨンジュン
監督、この子、僕がこのバッグを持って
行ったら強盗犯になると思ったのか、
持ってこうとするの、阻止してくれたんですよ

彼は、さっきのことを思い出して
どこか楽しそうに笑っていた。



「いやいや笑い事じゃないからね?」なんて
大柄な男の人に注意もされてる。








そっか…この人、こんな風にも笑うんだ…。









って!そうじゃなくって!!



まさかMV撮影だったとは…
全然知らなかった…。



どこにそんな、MV撮影中みたいな看板あったの。



「おかしいなぁ、表口の方にテープ貼ってたのに。」



表口、だと…!?



少し大柄な男の人…、おそらく監督さんは
困ったように頭をかいてる。



え、じゃあ私が入ってきた方の入口って…

ヨンジュン
ヨンジュン
君、どこから入ったの?

と、考えている私に超絶イケメンは、
私の目線に合わせるように少しかがんで聞いてくる。



わっ…本当に、綺麗すぎて吸い込まれちゃいそうな…

ヨンジュン
ヨンジュン
ん?

ぽーっと彼のことを見つめる私に、超絶イケメンは
首を傾げる。



はっ!いけないいけない!!
いくら超絶イケメンだからって見れるな私!!
あなた
🇰🇷あっちの方から入りました!!

私はそう言いながら、自分が入ってきた方向を指差す。



自分の中で「見れるな」、と叫んでいたせいか
謎に、自分が発する言葉に勢いがついてしまう。

ヨンジュン
ヨンジュン
ふふっ、分かった

超絶イケメンは、またも優しそうな笑顔で笑う。

ヨンジュン
ヨンジュン
監督、彼女あっちの出入口の方から
入っちゃったんだそうです

超絶イケメンが、私が指差した方向を指差せば、
「あっち?」と監督さんも一緒にその方向に視線を向ける。



「あぁ、あっち裏口だね。
外観、結構汚くなかった?」



と、監督さんは苦笑する。

ヨンジュン
ヨンジュン
いやいや監督ったらぁ…
ヨンジュン
ヨンジュン
せっかくロケ地として貸して下さってる
この銀行の方々に失礼ですよ

と、超絶イケメンは苦笑いしながら手をひらひらさせてる。



あ、この人…
今、この銀行のこと、監督さん相手でも否定しなかった…。








「そうだよな、いけないいけない」



「んじゃ!撮影再開するぞー!!」



監督さんは、周りにいるスタッフの人たちにそう号令を
かけると、どこかへスタスタ歩いて行ってしまった。

ヨンジュン
ヨンジュン
君、良かったらここで撮影見てってよ
ヨンジュン
ヨンジュン
面白いもの見れちゃうかもね

と、にこっと笑った彼。



この時の私には、「はい」と頷くこと以外の選択肢は
頭にはなかった。






あなた
すごい…


あれから、超絶イケメンに言われた通り、
私はまるまる全部、そのMV撮影という現場を
見学させてもらった。



そして、この超絶イケメンは、









「ヨンジュンさんお願いします!」

ヨンジュン
ヨンジュン
はーい!








チェ・ヨンジュン、さん…というらしい。



今、世界中で人気のあるTomorrow X Togetherという
5人組男性アイドルグループのメンバーの一人なんだそう。










こんなにすごい人だったんだ、って…。



今になってようやく理解した自分に、
どこか恥ずかしくなってくる。







今回の彼らのこのMVは、
少年の初めての失恋を歌った曲のMV。




"その少年にとって、君が全てだった"…。




そんなメッセージが込められている曲。








ヨンジュンさんは、どうやらお金に困ってる男の子の役
だったみたいで、
さっきみたいに銀行に入ってお金を盗んだり、


車の運転席に乗って、助手席にいるカメラさんに
まるで彼女に接するかのように演技したりと、



一から自分で、
「どんな風にしたらファンの子たちに喜んでもらえるのか…」
そうやって、監督さんやディレクターさんたちと
話したりしていた。








「トゥバトゥのメンバーはね、すっごいよ〜」



と、見学中の私に話しかけてくれた
40代ぐらいの女性のスタッフさん。

あなた
🇰🇷こうやって見てても、本当に
真剣に挑んでるんだな、って…
あなた
すっごく分かります…

私がそう言えば、



「あの子たち、まだまだ進化し続けてて、
止まることを知らないんだから」



と、とても嬉しそうに笑っていた。







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