西園寺、?
その場にいた全員があおいの方を向いた。
あおいは俯いておりその顔から一筋の涙がこぼれ落ちた。
私はもう考えることすらできなかった。
どうして、なんで、なんでそんなこと隠していたの、?
あおい、、、
蓮は追い打ちをかけるようにあおいにそう言う。
あおいはその言葉を聞いた後目から溢れ出る涙を拭きながら校舎の中に走っていってしまった。
先生を殺す?そんなことできない、
でも私たちがそんなこと決められる立場じゃない、
だけどこのまま西園寺の元に返すわけにも行かない、
もうどうしたらいいの、
いつもおちゃらけてる悠介が真面目な顔でそういうと皆んな続々と校舎に入っていった。
先生は「もう少しここにいます、」と言って何か考えてるような顔を浮かべていた。
その顔はどこか悲しさで溢れているように見えた、
あの日から3日後、いきなりだが2週間学校を休校にします。と先生が言ったことにより旧校舎の私たちのみ休みとなった。
ーーー美純家ーーー
お父さんの声が聞こえた。
今日は皆んなで行きたいところがあると言われ着替えの用意を始めた。
もう寒い季節となり厚手のコートを羽織って車に乗り込んだ。
千秋がそう聴くとお父さんはフフっと鼻で笑いながら弾むような声で「内緒〜」っと言った。
ある家の前で車が停車する。
その家には見覚えがあって即座に誰の家かわかった。
お母さんがそう言うと同時にあおいが家から出て来た。
表情はあの日よりか少しは明るかったがお世辞にも元気そうには見えなかった。
お父さんが手招きをするとあおいは足早に車の方へと駆け寄って来た。
そして車に乗り込み再び目的地までのドライブが始まった。
車の中には沈黙が流れる、
あの日以来あおいと話してないし、なによりなんて声をかければ良いのかもわからない、
そんなことを思っているとお父さんが口を開いた。
あんまりにも突拍子もないことだったので私の頭は混乱した。
横に座る千秋も同じようではてなを浮かべたような顔をしていた。
一緒にして場が凍りついた。
バレてる?どうして?
先生のことを知っているのはわたし達だけのはず、
どうしてお父さんが、
なんの躊躇いも疑問も持たないような素振りであおいがそう答えるとお父さんはニコッと笑いながら
そう言うとお母さんはゆっくりと頷いた。
あおいは何かの糸が途切れたかのように自然に涙が目から溢れた。
そして何度も何度も「ありがとう」と言いながら泣いて涙が枯れるまで私の腕の中で泣き続けていた、
次の日、私たちは皆んなを家に集めることにした。
あおいもいつも通り元気いっぱいに戻っていてみんなが集まると今まで黙っていたことや先生を殺そうとしたことなどについて謝罪した。
悠介の言葉に皆んな頷く。
皆んな同じ気持ちだ、
あおいを責める人など誰もいない。
あおいは目から溢れ出そうになる涙を必死に抑えて話を進めた。
皆んなうかない表情をしている。
私も例外ではないのかもしれない、
明るい表情を崩さないでいようと思っていたのに気づくと口角が下がり暗い表情をしていた。
あおいの表情は真剣でだがどこかで寂しさや孤独を隠しているような表情だった。
続きを聞きたくない、
聞いてしまったら私も愛する人を失なければいけない、
あおいの言葉を聞いた瞬間私の胸がズキっと痛んだ。
だけど分かってる、
それは私の身勝手で私のエゴだって、
皆んな口々に賛成するなかたった1人私だけは素直に賛成できなかった、、、
続く




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!