第5話

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2025/03/09 12:41 更新






あなた
  あ、あの…潮江先輩、…?  


  
  ただでさえ近かった距離が
 
  心臓の鼓動が聞こえる程になった


  潮江先輩の早い鼓動が頭に響く



潮江文次郎
  …っ、あなた、…  

  そう言われ、肩に顔を埋められる
  
あなた
  先輩…?  


  まさか薬の効果が…
  そう思って話しかけてみるが返事はなく、
  
  代わりに、肩に激痛が走った



あなた
  い゙っ、!!?  


  潮江先輩が私の肩を噛んでいた
  
  薬のせいだ、と直感的にわかったが
  対処法がわからない
  そう考えているうちにギリギリと音が聞こえる
  言葉では表せないような激痛が続いている


あなた
  潮江、先輩…  


  痛みに耐えながら声を掛けてみるが返事がない

  ドンドンと潮江先輩の背中を叩く 
  

  
あなた
  潮江先輩!!  


  精一杯耳元で叫ぶと
  ハッと気づいたように潮江先輩が私から離れる


潮江文次郎
  俺、何して…  

あなた
  大丈夫ですか…?  



潮江文次郎
  !す、すまん!  


  潮江先輩が少し顔を赤くしながら
  焦ったように謝罪をする

  まだ肩がジンジンと痛むが笑って答える

あなた
  大丈夫です  


潮江文次郎
  何か…その…
歯止めが効かなくなってしまって…

潮江文次郎
  こんな痕までつけて、…  


  チラリ、と私の肩に目線が動く

  薬の作用なのでしょうがないです、とは言わず…
  とにかく早くこの場から離れたい


  そう思って少し、体を起こす



潮江文次郎
  と、とりあえずあなたは医務室から出ろ  

潮江文次郎
  まだ予算の話はする予定だから  
ここにいると危ない


  私の気持ちを察したのか、潮江先輩がそう言った

潮江文次郎
  できるだけ息を吸わないようにしろよ  


  床下なのでマシなのだが、医務室は毒が漂っている

  ありがとうございます、とお礼を伝えて
  急いで医務室前の廊下に出た


  そして、忘れていた


土井半助
  あなた?  
 
土井半助
  どうしたんだ?この噛み跡は  


  医務室の前にこの人がいたことを


  安心感でいっぱいだった私の心は
  一気にどん底に落とされた


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