何をしても、つまらない。
楽しさを感じられない。元々感情というものがよく分からない体だからか、今では罪悪感とか言うものが何なのかも分からなかった。
僕には命の尊さがよく分からない
ただの黒い物体。
でも殺して見たいと思うんだ。悪意があるわけじゃない。向こうが生きてるのも知ってる。ただの興味。
僕はそのうちいじめにあった。
誰に話しかけても無視されて。「人殺し」「変な人」などと言われ、僕に近づく人は誰もいなかった。
母と父の喧嘩が始まってから、僕はもう何もかもどうでも良くなり始めた。
命がどうのこうの言う割には息子が嫌いなもんだ。
ある日のこと。
無駄な学校に通い続けていた僕。
家にいるのが辛くて今日はいつもより早く家を抜け出しが登校した。
別にどうでもいい人しかいないし
誰でもいい
そう言って僕に話しかけてくれた君は
色がついていて綺麗だった。
あれ?僕今なんでこんなこと……
まぁいいか。この人も僕のこと知らないだけですぐ離れてくんだろうし、
そんなこと言って僕に変顔をして笑ってきた。
こんな人初めて。変わってる。
段々周りからの視線を感じ始めた。
いつもならここで睨み返すけど、今はどうでもいい。
目の前の君が綺麗だから。見つめていたいから。
こんなんだから?…まぁたしかに。僕に話しかけるとか変わってる。
でも友達の人数は合ってないな。
こんないい人が友達少ないなんて
やっぱりこの世界は嫌いだ。理不尽。いい人ばかり損をして嫌な目にあうんだ。
僕は違うけど
…なにそれ。
やっぱり君は綺麗だ
……この世界でいっちばん、綺麗だ。
いつもなら机に悪口、花瓶…
上履きだって隠されてるし教科書やノートはビリビリ。
今日は何もされていなかった。
内藤くんの表情を見た感じ、彼もいじめにあっていた…いや今もいじめにあっていると分かった
僕らは交互に嫌がらせを受けているらしい。
君の笑顔がいつも、何故かハッキリしていなかった理由が分かった
………気でいた。
なんとなく気になって後をつけてみると
君は屋上に向かった
僕は気にしたことなかったけど
きっと辛いものだ。内藤くんがいじめられないように僕が代わりにならないと。
心の無い僕がそんなことをぼんやり考えていると
彼は屋上で座り込んで泣いていた。
…声をかけるべきなんだろうけど、僕は君から目を離せなかった。あまりにも綺麗だったから。
昨日はあんなにニコニコしていた君は比べ物にもならないくらい弱気になっていて
今にも崩壊しそうな、脆い物になっているようだった。
好き…
好き?好きってなんだろう
…やっぱりだめだ、よく分からない
僕にはそういう気持ち?が理解できない
君は…綺麗だ。
それでいてとっても変。でもそんな君のことが僕は……
あくる日、君がそう呟いているのを見た
さっきまでの悲しい笑顔とは違い、いつもの優しい笑顔に変わった。
…無理、してるのかな
…辛い時は抱きしめてあげると
少しは楽になる…だっけ?……覚えてないけど
これでいいんだよね?
それから暫く抱きしめたまま時が過ぎた
内藤くんが落ち着くまで、ずっと抱きしめた。
妙にスッキリした笑顔でこちらを見る君
何があったのか
…死にたい?
僕がいつも思うのは殺したい。じゃあ死にたいって…?
今まで桃色だった内藤くんから段々黒いものが見え始めた。
これはきっと毒。
内藤くんが今まで抱えて来て蓄積してしまった毒達。相当な数だ
一度息を飲んで、内藤くんは落ち着いてから僕にこんなことを言った











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。