声を揃えてそう話す声が聞こえた。
よくわからないけど、亮平っていう名前の人が一番人気なのかな……。
というか、照先輩はこんなに視線を集めているのに気にならないんだろうか……堂々としていらっしゃる……。
すたすたと平然とした様子で歩いている照先輩の姿に、感心する。
女の子たちは相変わらず、楽しそうに話していた。
そんなに人気な人がいるんだ……。
ぎくっと、体がこわばった。
こ、これ……俺のことだよな……。
くすくすと笑い声が聞こえて、恥ずかしさと照先輩への申し訳なさで視線を下げる。
俺みたいなちんちくりんが隣を歩いてすみません……!
そう心の中で謝罪した時、照先輩が口を開いた。
あれ……?聞こえていたんだ……。
照先輩にとって、騒がれるのは日常茶飯事なんだろうな。
こんなに顔が整っているから、当然か……。
俺はお礼を口にして、視線を前に戻した。
校舎に入って廊下を進む。
ある部屋の前で、照先輩は足を止めた。
立派な造りの扉の前、表札には照先輩が言うように、理事長室の文字。
ここで照先輩とはバイバイかと思ったけれど、どうやら先輩も理事長室に入るようで、俺の先を進んでくれる。
三度ドアをノックし、照先輩はドアノブに手をかけた。
中から、返答はない。
しかし、先輩は重たそうな扉をいとも簡単に開け、俺に入るように促した。
細身に見えるのに、意外と力持ちなのか……!
って、意外は失礼だ……。
「失礼します」と言って、足を踏み入れる。
扉の先にはクラシック調の広い空間があり、奥の席にひとりの男性が座っていた。
物腰柔らかそうな、理事長にしては若いと思われる男性。
「失礼します」と頭を下げて、ソファに座った。
俺の隣に、照先輩も腰を下ろす。
へぇ……活発な学校なんだな……。
……裏?
聞き返そうとした瞬間、理事長が話を続けた。
意味深な言葉が引っかかったけれど、理事長から詳細を告げる気はないらしいので、あとで照先輩に聞こう……。
突然、声色を変えて、申し訳なさそうに顔をしかめた理事長。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!