第8話

〜6〜
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2024/10/25 10:00 更新
モブ
モブ
「「「亮平様でしょ〜!」」」
声を揃えてそう話す声が聞こえた。
よくわからないけど、亮平っていう名前の人が一番人気なのかな……。
というか、照先輩はこんなに視線を集めているのに気にならないんだろうか……堂々としていらっしゃる……。
すたすたと平然とした様子で歩いている照先輩の姿に、感心する。
女の子たちは相変わらず、楽しそうに話していた。
モブ
モブ
亮平様って首席で勉強も運動もできてそのうえ生徒会長なんて、ハイスペックすぎるよね……!
モブ
モブ
あー、人嫌いじゃなかったらお近づきになりたい人生だった……
モブ
モブ
一度でいいから亮平様と話してみたいなぁ……
そんなに人気な人がいるんだ……。
モブ
モブ
……ていうか、照様の隣にいる地味な奴、誰?
ぎくっと、体がこわばった。
こ、これ……俺のことだよな……。
モブ
モブ
さー、なんか案内してるみたいだし、生徒会の仕事中かなにかじゃない?
モブ
モブ
照様が汚れるから近づかないでほしい〜
くすくすと笑い声が聞こえて、恥ずかしさと照先輩への申し訳なさで視線を下げる。
俺みたいなちんちくりんが隣を歩いてすみません……!
そう心の中で謝罪した時、照先輩が口を開いた。
岩本照
岩本照
気にするな。品のない女子生徒もいるが、なんとでも言わせておけ
あれ……?聞こえていたんだ……。
照先輩にとって、騒がれるのは日常茶飯事なんだろうな。
こんなに顔が整っているから、当然か……。
佐久間大介
佐久間大介
は、はい。ありがとうございます
俺はお礼を口にして、視線を前に戻した。
校舎に入って廊下を進む。
ある部屋の前で、照先輩は足を止めた。
岩本照
岩本照
ついたぞ、大介。ここが理事長室だ
立派な造りの扉の前、表札には照先輩が言うように、理事長室の文字。
佐久間大介
佐久間大介
ありがとうございました
ここで照先輩とはバイバイかと思ったけれど、どうやら先輩も理事長室に入るようで、俺の先を進んでくれる。
三度ドアをノックし、照先輩はドアノブに手をかけた。
岩本照
岩本照
失礼します。編入生を連れてきました
中から、返答はない。
しかし、先輩は重たそうな扉をいとも簡単に開け、俺に入るように促した。
細身に見えるのに、意外と力持ちなのか……!
って、意外は失礼だ……。
「失礼します」と言って、足を踏み入れる。
扉の先にはクラシック調の広い空間があり、奥の席にひとりの男性が座っていた。
阿部崇仁
阿部崇仁
初めまして、佐久間大介くん。理事長の阿部崇仁です
佐久間大介
佐久間大介
初めまして
阿部崇仁
阿部崇仁
よく来てくれたね。キミのような優秀な人材が我が校に来てくれてうれしいよ。教師一同皆、歓迎している
物腰柔らかそうな、理事長にしては若いと思われる男性。
佐久間大介
佐久間大介
そんなふうに言っていただけてうれしい限りです。ありがとうございます
阿部崇仁
阿部崇仁
どうぞ座ってくれ。キミには少しだけ、今日からの学園生活について話をさせてもらおうと思ってね
「失礼します」と頭を下げて、ソファに座った。
俺の隣に、照先輩も腰を下ろす。
阿部崇仁
阿部崇仁
我が校については知っていると思うが、国内でもトップクラスの学力を誇っている。その他、部活動や野外活動にも力を入れているから、すべてにおいて、他の中学では経験できないようなレベルで勝負できるだろう
へぇ……活発な学校なんだな……。
阿部崇仁
阿部崇仁
……と、表の説明はこんな感じだ。裏のことは……そこにいる副会長にでも聞いてくれたまえ
……裏?
聞き返そうとした瞬間、理事長が話を続けた。
阿部崇仁
阿部崇仁
なあに、少し乱暴な生徒もいるが、校内での暴行事件は即刻停学だ。ここで問題を起こす者はいないから安心してくれ
意味深な言葉が引っかかったけれど、理事長から詳細を告げる気はないらしいので、あとで照先輩に聞こう……。
阿部崇仁
阿部崇仁
それと……ひとつ、キミに謝らないといけないことがある
突然、声色を変えて、申し訳なさそうに顔をしかめた理事長。
阿部崇仁
阿部崇仁
この学園が全寮制という形式をとっているのは知っているね?
佐久間大介
佐久間大介
はい
阿部崇仁
阿部崇仁
じつは……手続きのミスで、キミは生徒会専用寮の入寮になっていることが先日わかったんだ








佐久間大介
佐久間大介
……え?















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