ak視点
凍てついた扉を全体重かけるようにして開けると、肺を刺すような冷気が吹きつけた。
息をするたびに白い息がこぼれる。
部屋の中はありえないぐらいに凍りついていた。
床にも、天井にも、壁にも巨大な氷の塊がはっている。
まるで超巨大な冷凍庫みたいだ。
________いた。
部屋の中心にあるひときわ大きなカプセル。
カプセルはもう原型がわからないほど分厚い氷に覆われていた。
その内側に見えた千草色の髪。
小柄な体軀。
考えるより先に体が動いた。
床に氷が張っているのも忘れて、転びそうになりながらカプセルに駆け寄る。
ガンガンと氷の張ったカプセルを叩く。
叩き続けて手が寒さと痛みで真っ赤になるが、そんなのを全く感じない。
それでもカプセルはびくともしないし、ちぐちゃんは一向に目覚める様子がない。
これを割らなきゃ.....助けられない...??
ずっとここに来てからセーブしていた俺の個性:音響。
副産物として超耳が良くなるやつは使ってたけどね?!((
元々の力、声を音波・共鳴として操る(つまりガラスとか割っちゃう)ほう。
こっちの個性だったら氷ごとカプセルをカチ割るぐらい頑張ればできるだろう。
けどカチ割ったところで、割れた氷やガラスの破片からちぐちゃんを守りながら瓦礫に潰される前に助けるなんて芸当、到底自分には出来ない。
ぷーのすけやまぜちなら助けられたかも知れないが。
ここまで来て何も出来ない自分に歯噛みする。
悔しい。
手の届く場所に大切な仲間がいるのに、助けられない。
悔しくて悔しくて血が滲むほど拳を握りしめた...その時。
背後からいやに低く粘つく声がして、振り返ると白衣を着た男立っていた。
年配で、目だけが異様に冷たい。
白衣にクリップで留めてある名札を見て、そう呟いた瞬間、男は笑った。
そういって所長はナイフを取り出し、切っ先を俺に向けた。
足が、すくむ。
逃げないと。
でもここで逃げたら二度とちぐちゃんに会えなくなると思った。
だから
ニヤッと、できるだけ余裕そうに笑って中指を立てる。
拳を構え、距離を取る。
個性は使えない。
それでも、退くわけにはいかない。
所長が、一歩、踏み出す。
ナイフが頭上に振り上げられる。
さっきまで数メートル離れていた所長が気づけば眼前にいて
ナイフの切っ先が俺に向かって降ってき________________
ドォォォォォンッッッッ!!!!!!
大きな大きな地響きと共に天井に穴が空き、人が降ってきたのが一瞬見えた。
身長の高い、筋骨隆々の男だ。
その人は秒速で所長をぶっ飛ばし、俺よりも大きい声で言った。
今年最後の投稿...!
来年もひなもちとその作品を宜しくお願い致します
よいお年をお過ごしくださいませ











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!