いつも通り、アラームが鳴りその音で起床する。
いつも通り、制服に着替え、階段をおりてリビングへと向かう。
いつも通り、テレビのニュースに多少目を向けながらも、パンの朝食を食べる。
いつも通り、「いってきます」を両親に伝え家を出た。
ここ数年変わらないいつも通りの日常。光景。
平和だからこその日常ではあるも、やはり何かが足りなかった。
暑くなり始めた6月の上旬。
今年の6月も信じられないほど昨年よりも蒸し暑くなっていて、制服が夏服になっている子達も急激に増え始めた。俺もそのうちの一人だ。
朝テレビで見たニュースにも、こんな早く高い気温になっていることについて話していたのを思い出しながらも、ゆっくりとしたペースでいつも通りの道を歩く。
暫く歩き、徐々に学校が見えてくる。
その辺になると、決まって俺の周りに同じ制服を着た人がチラホラ見えるようになる。俺と同じように登校している生徒達だ。やはり夏服の人が多いなとひと目で分かる。
いつもの光景を眺めても詰まらないだけ。早く涼しい教室に行こう。そう思いながらその人達に紛れながらも同じ学校の方向へと歩みを進めた。
学校門の近くに行くと、とある生徒が大きく声を出して挨拶をした。
ああそうか、今日からか⋯と思い出す。
そういえば、今日から生徒会の挨拶運動が始まるのかと。
なんで朝からそんなに元気なんだろう⋯と少し怖くなるも、元気に挨拶をする姿に正直こちらも元気をもらっている。
教室につくと、何だか盛り上がっているのか少し騒がしかった。どうしたんだろうか?疑問を抱きながらも、取り敢えず自席に向かった。
そう言われたら、クラスが騒がしかったのも納得がいった。
そうか、転校生か。確かにそんな話もしていたな⋯
その時は眠くてあまり話を聞いていなかったのを鮮明に覚えている。
普段の見慣れた光景では、あまり見ない「転校生」
自然と俺はその存在に興味を持っているのだろう、騒がしいクラスメイト達と同じように、俺もどんな人が来るのか楽しみで仕方がなかった。
暫く友人と話していると、先生が扉をガラガラと開け入ってきた。
俺と友人はそう話した後、自席へ向い言われた通りに座った。
他の生徒も先生の言葉で次々と座り始める。
いつもだったら、すぐに座らずにまだ話し続ける人も居たが⋯今回ばかりは、やはり転校生が気になるのだろう。
その先生の言葉から数秒後、扉は勢いよく開かれた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。