莉瑚先輩が私の居場所を知っているということを知ってから3日目。
今日はお花が沢山咲いている場所で少し休憩をしていた。
休憩と言っても、莉瑚先輩のことが頭から離れなくて、休憩できてるのかと言われたら 自信を持って頷けないけど...
そんな時誰かの独り言が聞こえた。
いや、これは独り言じゃない...、話し声だ。
でも相手の声が聞こえない、、、なんでだろうと思い話し声が聞こえる方向へ向かう。
驚いた顔をしてこちらを振り向くなお兄。
話していた相手は誰なんだろうと思い キョロキョロと周りを見渡すが、 人はいない。
うん、 人"は"...いない。
代わりに 蜂が、、、いる。
いやでも蜂と話してたんだなー とわかる構図。
蜂が飛んでる方向に向かって、わざわざ目線まで合わせてあげて、蜂と見つめあっていた。
なお兄が不安そうに、でも少し嬉しそうにこちらを見ている。
それでも、私はなお兄の方向を向かず、真っ直ぐ先だけを見つめて話した。
だから、
だから、
そのとき、ふいになお兄の方向を向いた。
こちらをむいたなお兄の目は、嘘じゃない…絶対に約束する…という感情が込められていた。
すこしほっとした。
なお兄の目には、言葉には 嘘 なんて言葉は一欠片もなかったから。
だから信じる。
ぎゅって飛びつくと慌てたようにして、それでも抱きとめてくれた。
あぁ、どんなに恵まれているんだろうか。
上手く、言いたいことも何もかも、伝えられないし、言い表せれないけど...
私の重りが、また少し減ったのだけは伝わってほしいな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。