放課後
私は管弦楽部に入っている。
5歳の頃からバイオリンを始め、
音楽推薦でこの学校に入った。
私は高2なので、時期パートリーダーの候補にもなっている。
A〜♩
バイオリンを構え、チューニングを始める。
1年生は明後日から仮入部期間だ。
私は慌てて翻訳アプリを用意する。
「残りの時間は自主練して大丈夫です。」
そういってバイオリンを差し出す。
そう言って、私のバイオリンを手に取る。
こんなに弾ける人、初めて見た気がする。
先生が弾いてくれたのは、ベートーベンのバイオリンソナタ「春」。
難易度はそこまで難しくないけれど、音程や弓、指の動き、強弱や表現力等、すべて完璧だ。
アルペジオ苦手だから、何度も練習させられたな。
先生は正直、私より上手い。
私も、こんなふうに弾けるようになりたい。
なんとなくの英語で先生を褒める。
一個上でコンマスの羽鳥先輩だ。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!