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第1話

32
2024/04/03 08:00 更新
-あなた-
────っ!?


突然の事に目が覚め、上体を跳ね起こす。


全身が汗ばんで息切れもしている。

落ち着きを取り戻そうと胸に手を当てれば、心臓は体を破らんばかりに強く脈打っていた。


-あなた-
はぁ……、はぁ…っ、


-あなた-
すぅーっ………はぁー……っ、すぅー…………



深く、深く時間を掛けて深呼吸をする。



落ち着きを取り戻して漸く、先程までの光景がいわゆる"悪夢"であったと認識出来る。


-あなた-
どうして、こんな……。


時計に目を向ければ起床時間を過ぎていた。

私は軽く頬を叩き、着替えて台所へと足を運んだ。
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
台所に入る手前、奥からは鼻歌が聞こえてきた。

それと同時に トントン と心地良い音も鳴っている。


誰かが既に朝食の準備をしているようだった。
-あなた-
あれ、こーじ君?
-向井-
おう、あなたおはようさん
食事の準備をしているのはこーじ君だった。

私が声を掛けると彼は手を止め笑みを浮かべた。

-あなた-
今日は私が当番でしょ?
もう少しゆっくり休んできなよ
-向井-
ええねんて、たまたま早起きしてやる事ないねんから
俺が好きにやってるだけ!

無邪気に笑みを向ける彼は、再び視線を戻し食材を切り始める。

-あなた-
……じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな?
-向井-
ん、そうしいや
-??-
おっはよーう

声の方を見ると、暖簾からひょっこりと顔を出した大柄な男性……と言うにはまだ幼い顔で笑うラウ君だった。
-あなた-
おはよう、ラウ君
散歩してきたの? 健康的だね 笑
-ラウール-
そうそう、朝日が気持ち良かったからつい長く散歩しちゃったんだよね

ラウ君はそう言って卵焼きに手を伸ばす。
-ラウール-
いてっ、
-あなた-
こら、まだ終わってないんだから盗み食いしないの!
-向井-
ラウールが怒られとる 笑
-あなた-
盗み食いする元気があるならみんな起こしてきて
確か……しょっぴーは今日早いって言ってたから
-ラウール-
おっけーい、じゃあ先しょっぴー起こしてみんなの部屋回るよ
-あなた-
お願いね

ラウ君が台所を出たのを見送ると、こーじ君がクスクスと笑ってているのに気付いた。
-あなた-
何ー? 一人で笑っちゃって
-向井-
いや……笑
あなたはみんなのおかんやな思って…笑
-あなた-
はぁ……全くもう、笑

そんな話をしていると、ドタドタと階段を下る音が聞こえてきた。
-渡辺-
やっべぇ、ラウールが起こしてくんなかったら普通に寝坊してた
-向井-
しょっぴーおはようさん
-渡辺-
はよ
あれ、今日飯康二だっけ

しょっぴーが前髪を気にしながら椅子に腰を下ろす。
化粧水を塗ったばかりの顔を見る限り、かなり急いで準備した事が分かる。


今日は後輩と大切なプレゼンをするそうで、鞄には溢れんばかりの資料が詰められていた。

-向井-
あなたの手伝いしてんねん、たまたま早起きしたでな
-あなた-
おはようしょっぴー
モーニングルーティーンちゃんと出来た?
-渡辺-
いやぁー出来てないんだよね
行きの合間にやるか……
-向井-
そやったら俺車出すで!
-あなた-
でもこーじ君出掛けるんじゃなかった?
-向井-
それは午後からやな
-渡辺-
ごめん康二、頼むわ
-向井-
んー任せとき!
-ラウール-
みんな起こしてきたよー!
-あなた-
はぁーいありがとね、あしょっぴー
朝ごはん移動中に食べたら?
-渡辺-
あー、そうしようかな
-あなた-
じゃあ準備しておいで
-渡辺-
マジ助かる、ありがと
-阿部-
おはよー
-宮舘-
おはよう
-目黒-
おはよう
-佐久間-
おっはー
-深澤-
ん〜はよぉー


ラウ君に続いて次々と椅子に座る。

-あなた-
はぁーい皆おはよう
あれ、照兄は?
-阿部-
照ならランニングしてるんじゃないかな
-あなた-
そうなんだ、じゃあもうそろそろ帰ってくるかな


噂をすれば、照兄が勝手口から帰ってきた。

-向井、あなた-
照兄おかえりー
-岩本-
ただいま
-あなた-
照兄おかえり、もうご飯出来てるよ
-岩本-
ありがとう、今日も美味そう
-あなた-
ふふっ、今日はこーじ君がほとんどやってくれたんだよ
じゃあ食べよっか



皆で手を合わせ朝食を食べ始める。


私達の日常は、こうして始まる。


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