フォスが決意を固めdollに向かって歩き出している中、すばるは膝をついて何かを祈っている人影を見つけ出した。
セターレだ
すばるが名前を呼ぶと、セターレは祈りのために絡めていた両手を外し、すばるに目線を合わせて立ち上がる。
セターレはいつもここにいた。
すばるとは違い、セターレは博士に歯向かうような勇気も、フォスを守ることだって碌にできない。
そんなセターレが思い悩む時、彼女は決まってここにいる。
ここはセターレの、唯一の逃げ場のようなものだった。
すばるはセターレを見つけ出したことで本題に入る。
あんなもの、とすばるは濁して言った。
しかし、セターレには通じたようで、話はそのまま進行していく
セターレは、すばるを諭すように言葉を発した。
が、すばるは意味もわからずただきょとんとするだけ。
セターレは胸に手を当てながら、少し上空を見て話を進める。
空には、フォスが聞いた、あの〈声〉が漂っている。
わずかに顔を顰めながら話すセターレに、すばるは同意したが、そのすぐ後に反論が入った。
すばるは半ば強制的にセターレを引き連れて、フォスが気絶した場所へと移動した。
__が、そこで見た光景は信じられないものだった。
doll動いているのだ。
しかも、小さい動作ではない。歩いている。
辺りを見渡しながら、フォスに向かって歩いていく。
フォスもそれに呼応して、dollに向かって歩いていく。
互いが近くなり、dollが手を伸ばして、残り数cmでフォスの頬に届くところで、フォスはようやく言葉を発した。
その言葉を聞いた途端、先程まで動いていたとは思えないほど、ピタッ、とdollの動きが止まった。
フォスは銃口をドールの額に向ける。
そこから数歩下がって、焦点を合わせていく。
その行動が見えたすばるは、大声を出してフォスを呼んだ。
バンッ!!!











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!