……最初は好きだった。本当に愛していた。
でも、なんか違った。
合わなかったのかな。
キングのことは心から好きだったけど、
どこかすれ違う部分があった。
色々積み重なって衝動的に結婚指輪を押し付け、
家を飛び出してしまったんだ。
夜の煌めく繁華街を1人で歩いてると浮いてる気がする。
そりゃそうだ、1人でこんなところ来る人なんてそういないし。
薬指にはまだ、
キングと一緒に買った結婚指輪の感覚が残ってる。
口には微妙な後悔の味。
肩に腕を回されてもう逃げられない。
この人酒臭いし、相当酔ってるみたい。
どうしようかな〜……
悩んでると後ろから
聴き慣れた大好きな声が聞こえた。
さすがはキング。
元オフィスの覇者なだけの殺気はある。
相手が割とすんなり引いてくれたからよかったけど、
ここで抵抗していたらどうなっていたことか。
勘だったとしても、
実際居場所を見つけられてるんだからすごい話だ。
私も同じようにできるかと言われたら自信がない。
キングの手の中から私の結婚指輪が出てきた。
やっぱり綺麗だな、とふと思う。
キングが選んだだけあっておしゃれだ。
自然に握ってくれた手は暖かかった。
冬の寒い日にはキングの手がちょうどいい。
2人並んで混雑した繁華街を抜け、
静かな住宅街にある私たちの家に向かった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。