最後の方、🔞匂わせ描写?あるので苦手な方注意!
ある日の昼間。いつものように上鳴の部屋に寝転がる瀬呂。この日もふたりで静かな時を過ごしていた。
いちおうこのふたりは恋人同士のはずなのだが、お互い、黙って動画サイトをスクロールしているだけだった。
「……なー、瀬呂ー」
「んー?なに?」
ふたりともスマホを眺めながら、ときどき雑談をする。それが彼らなりの休日の過ごし方だった。
「今日って8月8日だろ?」
「そーだな」
「世界猫の日らしいぜ」
「ふーん。あれ?2月22日が猫の日なんじゃねーの?」
「それがさ~。猫の日っていくつもあるらしくて!8月8日は【世界猫の日】で、国際的に決められてるヤツ。俺らがよく知ってる2月22日も【猫の日】なんだけど、日本の語呂合わせによってできたものなんだとさ!」
「ふーん、色々あんだなー」
「………」
「え?どぉした?上鳴」
「……なにも。」
……いいや、明らかに何かを求めている顔だ。
ムスッと「なにもない」と言ったはずなのに、期待を帯びたこがね色の瞳がちらり、またちらりとこちらを伺う。上鳴とはそういうやつだ。
「で、なんなの?」
優しく問いかけると、上鳴はほんの少し口角を上げてにこりと笑い、目を輝かせ、頬をほんのり紅く染めた。そして、すこしだけためらってから口を開いた。
「あのさ!その……猫の日っぽいこと……したいな!って……」
それを言うためだけにあそこまで……すねていたというのか。あまりの可愛らしさに瀬呂は頭を抱えそうになった、が……
「あの……猫の日っぽいことって、何?」
純粋な疑問だった。すると上鳴は顔を真っ赤に染めた。
「……いやぁ、なんだろ……ね」
そう言って視線を逸らす。怪しい。絶対になにか考えがあるはずだ。これは面白そう……笑いそうになった顔を必死に抑えて、冷静に。上鳴を詰めていくことにした。
「ふーん……猫飼いたいとか、そーゆー話?」
「……猫の日っぽいことをしたいだけ!……別に飼いたい訳じゃない」
「えぇ?じゃあ何?猫耳メイドとか?」
さらりと言い放つと、上鳴はさらに顔を上気させ、口をとがらせてこう言った。
「……いーんじゃね?」
大当たり。
「でもなくね?そーゆーの。今から買うって言ったって……」
「……ある」
消え入りそうな声でぽつりと言った。
「……まじ?」
そう言うとすこしうつむいて「うん」とうなずいた。
「なんか……中学んときに罰ゲームで買って着たんだよ……せっかくなら、瀬呂にも見せたいなって……思って」
声を発する度に音量が下がっていき、視線もどんどん下を向く。
「……ふーん」
普段より若干低いその声に反応し、上鳴はビクリと身体を震わせた。
「……なに?」
「いいや?着てきなよ」
「……うん」
なにもなさそうに振る舞っているのに、どこかに違和感を感じる。もしかしてそんなに好きじゃなかった……?不安がぽつりと思い浮かんだ。
「……なあ!瀬呂……どう?」
自信なさげに振る舞う上鳴。ふわりと膨らんだミニスカートから、男らしい筋肉質な足が伸びている。頭には猫耳のカチューシャをつけ、もじもじと立っている。
「……いんじゃね」
「……なんか、反応薄くね!?」
「……別にー。」
そう言ってジリジリと顔を逸らす瀬呂に、上鳴はむすりと頬を膨らませる。
「なんか不服?あ、ご主人様って呼んでほしいとか!?」
「違わねーけど違うー」
「えー?んー??なにぃー?」
「(中学の友達にその姿見せてたと思うと……ちょっとモヤるな……)」
「瀬呂ぉ~~!」
「んー……あー……」
瀬呂は思っていたことをぐっと飲み込んでニカッと笑った。
「何でもなーい」
「えー?なんだよそれぇ~」
「そーれーよーり!ご主人様って呼んでくれんじゃねーのぉ?」
「…いじわるだなぁ」
「文句言わないでね~、今から君はメイドさんなんだから……逆らわずに俺に従ってねー」
顔は笑っているはずなのに、瞳だけはギラギラと真剣に上鳴を捉えていた。
「……なんか、嫌な予感するんだけど」
「……ん?なに?」
「……明日も訓練あっから、絶対に手加減して……な?な?頼むよぉ」
返事をせず、黙り込んだまま強い力で押し倒される。
空は茜色へと徐々に移り変わっていき、やがて紺色に染まり……気づいた頃には朝を迎え、ゆっくりとゆっくりと昇る朝日と共に、ふたりは眠りについた。
すごくモチベーション上がるので、良ければ応援よろしくお願いします!
見てみたい猫耳シチュ・カップリング等のリクエストもお待ちしています!











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!