今年も春が来てしまった
外に出るとかざねが車で待っていた
そう軽く返事をして車のエンジンをかけるかざねは
やっぱり元気がない
車に揺られながら
楽しかった日々を思い出す
キキッ
そういうかざねの声で俺の意識は現実に戻される
しゅうとがそうやってポツリと言う
俺らは無言でとある場所へ行く
1年も来ていないとやっぱり木の葉だらけになっている
俺は水桶を持って水道へ向かう
水桶に水を張る間に俺は彼を思い出す
懐かしい…
ジャー
キュッ
フラッ
ガッ
しゅうとも思い出したくないのかな
かざねのもとに戻ると
既に綺麗になっていた
側から見たらそっけなく聞こえるだろう
だけど、かざねなりの思いやりだと分かってる
パシャッ💦
俺は墓石に向かって水をかける
そして水桶を隅に避け
3人で手を合わせる
また話したいよ
"ふうはや"












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!