春高宮城県代表決定戦、2日目。
ガヤガヤとした会場の中で、和久南の家族応援団が一際目立っていた。
妹とか弟ってなんであんなに可愛いんだろ。()
『私も弟とか妹とか欲しかった……』
『それであんな風に応援して欲しい』
月島「マネージャーが応援されてどうすんの」
『仕事効率がとてつもなくアップする』
月島「……微妙に要らないねその機能」
『何言ってるの人生において1番重要な機能だよ』
月島「それは言い過ぎでしょ」
『うん、ちょっと盛った』
月島「……。」
月島の「なんだコイツ」という冷ややかな視線から逃れて、試合の準備を進める。
全く、少しはノってくれてもいいのに。
月島の愛想がもうちょっと良ければ、きっと学年1くらいにはモテるんだろうな。
そんなことを1度本人に言ったら、めちゃくちゃ怪訝そうな顔をされた。
そんなに???ってほど。
まぁ月島がいいならいいんだけど。
そんなことを思ってると、孝支先輩が近くに来た。
菅原「俺の弟もあんな風に応援してくんないかな〜」
『そういえば私なんだかんだ孝支先輩の弟さんに会ったこと無いですね』
『試合の応援とか来ないんですか?』
菅原「弟も忙しいからな〜、それに俺はスタメンじゃないしさ」
『……そうなんですね、』
どんな反応をしたらいいのか分からなくて、曖昧な返事になってしまう。
孝支先輩は、割り切ってるように見えるけど。
それでもやっぱり、悔しいものは悔しいだろう。
でも、飛雄の今までのバレーに費やしてきた努力も知ってる。
だから、何を言っても違う気がして。
「弟さんの代わりに応援しときますね」と、軽い冗談を返すので精一杯だった。
『あ、緊張してるなら昨日のジュース買ってきましょうか』
菅原「あれ飲めないことはないけど飲みたくはないみたいな味だったからもうやめろよ???」
「本当に微妙な味が1番キツイからな!?」
澤村「リアクション芸人にとって1番困る味だな」
東峰「それスガがリアクション芸人だって言ってるのと同じだぞ??」
『一理ありますね』
菅原「あなた???」
3年生2人のおかげですっかり元に戻った雰囲気で、試合の公式練習が開始する。
どうか、少しでも多く勝って。
孝支先輩が、3年生が、コートに立っている姿を、まだ見ていたいとひたすら願うばかりだった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。