あなたの下の名前が落ち着いてしばらくして、辰哉兄さんはあなたの下の名前の手をほどき、ベッドに寝かせた
あなたの下の名前は先ほどの夢と熱で体力がもう無いのか、
またすぐに眠った
あなたの下の名前が言っていた「ユメ」はこのことなのかもしれない
俺たちがまだ、亮平しか見えてなかった頃の夢
鮮明で、忘れられないのだろう
だから、自分の熱が分からないくらいまで無理した
翔太の話したことは一理あると思った
確かに、あなたの下の名前は「大丈夫」を間違えていると思う
自分が我慢できるかを軸に考えているから、滅多に「助けて」が言えない、言うつもりもない
あなたの下の名前は隠すのが上手だから俺らも気づけないし、でも今回みたいにこれほど熱が上がっていても気づかないのは俺らにも問題がある
あなたの下の名前と「大丈夫」の感覚が違うから、お互いが「大丈夫」の感覚を共有しないとずっとすれ違ってしまう
3日後、あなたの下の名前の体調は回復した
あなたの下の名前は夢とその夜のことを鮮明に覚えているのか、辰哉兄さんと俺たちに少し気まずそうにしている
俺はあなたの下の名前の目をしっかり見てそう言った











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。