すると
上杉君がため息をついて、みんなを見回した
黒木君が、上杉君の首にぐいっと腕を絡ませ、
自分の胸の中に引き寄せて言った
上杉君は、メガネのむこうで笑って、
黒木君の胸をドンと叩いた
黒木君もちょっと笑った
そのとき、授業開始のチャイムが鳴り始めたのだった
3人と私は、慌てて自分の秀明バッグをつかんだ
上杉君が投げた黒の秀明バッグを、
黒木君は片手で掴み、風のようにドアから出ていく
立花さんと話したかったが、時間がなくなって
しまった…
ドアから出ようとした時、後ろからくる小塚君が
立花さんに引き留められたようだ
私も話が聞きたいが、何となくわかるような気もする
し、そもそも小塚君との話なので、好奇心を抑えて
教室に向かった
授業終了後、特別クラスへ3人で向かうと
その時、横を若武が走り去った
特別クラスのドアを開けると黒木君はもう居た
その後すぐに黒木君と上杉君は話し始めた
私は小塚君が持っている星座早見盤を覗いた
しばらく話しているとドアが開き、
若武と立花さんが顔を覗かせた
若武は、1人1人に視線を配ってから、おもむろに
口をひらいた
私は思わずコケそうになってしまった
カッコつけすぎ…
黒木君が、ふっと笑って口をひらいた
2人は顔を見合わせ、それからクッと笑い出した
若武はもちろん、火がついたように怒って怒鳴った
2人は一瞬、笑いを消し、真剣な表情になった
なんか嫌な予感が…
とたんに小塚君が、身を乗り出すようにして言った
please ♡&☆















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!